本日、埼玉新聞社主催の教育セミナー(於:埼玉会館)。公立高校入試について、昨年度を振り返りつつ、今年度を展望するというテーマ。

 うちには案内が来なかったという人もいるが、たぶん、主催者は昨年の埼玉新聞模試参加塾を中心に、あとはHPなどを検索しながら片っ端から出して行ったという感じではないか。この方法だと、いわゆる個人塾は引っかかりにくい。
 中には、私のブログで知って、案内状なしで来た人もいたが、当日欠の人もいたため座席が確保できたのは幸いだった。

 Eメールアドレスを公開しておいたので、後で質問してくる人がいるかもしれない。
 講演終了後に、一人の若者が質問してきた。
 「20代ですが、読んでおいた方がいい本を紹介してください」。

 えっ、入試じゃないの?

 まあいいや、せっかくの質問だから守備範囲外だけど、経験を元に意見を述べておくよ。

 大量に読みなさい。
 私はこう見えて、結構な読書家なんだよ。これまでに読んだ本は、何千とかじゃない。ある時、1万まで数えて途中で面倒になった。
 でも、最近は年をとったので、数をこなせない。すぐに眼が疲れる。腰が痛くなる。読書にも体力が必要なのだ。読めるうちにたくさん読んでおきなさい。

 無駄を恐れてはいけない。
 想像するに、ラーメンでも寿司でも何でも、たくさん食ってる人間は、店構えとかメニューとか店員の態度とか、そういうのを見ただけで、食わなくても分かっちゃう(はずだ)。不肖私も、本屋で表紙を見て、目次をパラパラっとやれば、読む価値のある本かそうでないかが瞬時に分かる。
 なぜか。それは若い時に、さんざん失敗してきたからだ。買うんじゃなかった。読むんじゃなかった。
 無駄ができるのは若さの特権なんだよ。旨いものばかり食おうとせずに、まずいものも食いな。ときどき腹でも下したほうが強くなる。

 適齢期を逃すな。
 特に小説だが、読むべき適齢期がある。恋愛小説とか青春文学ってあるだろう。そういうのは若い時に読めば感動するが、年をとると青臭くて読めねえ。感情移入できないんだよ。ただ恥ずかしいだけ。白けるだけ。逆に若いもんが不倫とか老いらくの恋とか読んだって、意味分からんだろう。

 本は何も教えてくれない。
 何かを知るための読書と教養としての読書がある。若者に勧めるのは教養としての読書だ。身に付けた教養は、その後の人生で役に立つ場合もあるが、そうでない場合もある。金持ちになる方法とか、ビジネスで成功する方法なんてものは、あわてて読む必要はない。いくら読んだって、失敗する時は失敗するんだよ。読書で人生成功したやつはいない。

 今日のところはこのくらいにしておこう。守備範囲外と言いながら、意外と書くことある。