貸した金は返ってこない。若いころ年寄りに言われた。「人に金を貸すときはやる(あげる)つもりじゃなきゃいけないよ。返って来ないからね。いいかい、貸すんじゃなく、やるんだよ」。

 これまで何人かに金を貸したことがある。中学生じゃないから、何十万とか何百万の話だ。で、ものの見事に返って来ない。本人、必ず返すからと言うが、こっちは話半分に聞いている。まあいい。やった金だ。寄付みたいなもんだ。まかり間違って返ってきたら大儲け。

 つい最近、知らない法律事務所から封書が届いた。また誰かが訴訟でも起こしてきたか。いや、訴訟なら裁判所から来るはずだ。損害賠償の請求か? 違うな。それなら配達証明や内容証明とか書留とか、こっちが見てませんと言えない方法で来るだろう。

 中身は、あなたが金を貸しているはずの某氏から自己破産手続きの依頼を受けたので、いくら貸しているかを教えてくださいという内容だ。

 ついにその手を使ったか。あれだけ自己破産はやめとけと言ったのに。
 方々に借金があるだろうから、俺は月々1000円でいいよ。それだと50年、いや100年かかるけど、待ってるよ。
 でも、月々1000円も長続きしなかったな。1000円が無理なら500円でもいいんだが。

 3年間くらいかな。仕事を教えた。1円も稼いでくれなかったが、少ないながら給料も払った。毎日飯も食わせた。でも立ち直れなかったね。ある日バッタリ会社に出て来なくなった。
 
 実は某氏、私のブログに何度も登場している。正確には旧ブログ「梅野弘之の先生応援ブログ」の方だ。この中に「わが社の志村くん」「フデキ社長の失敗術」というカテゴリーがあって、そこには某氏のトホホな毎日がかなり詳しく紹介されている。
 長年の読者の方はご記憶だと思うが、2016年12月のエントリー(記事)が最後なので、最近になって私のブログを読み始めた方は、ぜひご一読願いたい。会社勤めの方からは朝礼ネタにちょうどいいとお褒めの言葉を頂戴したこともある。