世の中には、最短2、3年待ちのレストランなんていうのがあるらしいが、その時まで生きている保証がない私には関係ない話だ。それにしても、3年後の晩飯を今日予約するやついるとは驚きだ。
 その日その時、食えるものを食えばいいじゃないか。

 ひと頃、行列のできる店とか、並んでも食べたい店というのも流行った。今でも続いているかもしれない。
 味やサービスが一定の水準に達していることが条件だが、座席数を減らせば行列は出来やすい。店外に行列を作ることに成功すれば、行列ができているんだから人気があるんだろう、旨いんだろうと人々は勝手に思ってくれる。なかなか上手いやり方だ。
 ただ、客の回転数をうまく調整しないと、「混んでるからやめとくか」と帰ってしまう人もいるので、機会損失にもつながる。

 今週末、さいたまスーパーアリーナで「彩の国進学フェア」が行われる。
 行列のできる店、否学校は、「今日は止めとくか」と帰ってしまう客が出ないように工夫しよう。
 ラーメン屋が先に注文を聞くのは、時間短縮の意味もあるが、客を帰させないためである。黙ってじっと待つ時間は長い。絶えず声をかけよう。列を動かそう。ディズニーランド方式だ。

 毎年、ベネッセさんのブースは大人気だ。ベネッセさんの狙いは名簿だ。住所と名前だ。そこで、「予想問題無料配布」とやる。これにつられて中学生が殺到する。受験生は「予想」という言葉に弱いのだ。私も新聞・テレビその他で「予想」で集客している一人だからよく分かる。ついでに言えば「無料」も殺し文句の一つだ。

 ついでのついでに言えば、「初」にも「限定」にも弱いぞ。
 「調査書の点数はこうして決まる」
 「教えます、去年のボーダー、平均点」
 「みんなが聞きたい部分点の実際」
 「国語の先生が予想する作文テーマ10選」
 これらに「初公開」「2日間限定」とつければ、効果倍増。

 人気のない学校が、駅頭のティッシュ配りや風俗店の客引きみたいなことをやっているが、効果は期待できないから止めたほうがいい。それより「面白ブース」お願いします。

読売中高生新聞