浦和美園は「うらわみその」と読む。「ネイティブ浦和民」である私のもっとも古い記憶では浦和郊外・美園村であった。
 美園村は、葦が生い茂る荒地の中に農家がポツポツと散在するド田舎だったが、埼玉スタジアム2002やイオンモール、埼玉高速鉄道の「浦和美園駅」ができるなど今では風景は一変している。

 埼玉高速鉄道は、高速と名乗るものの、別に超ハイスピードで走行しているわけではない。初乗り料金が210円と高く、「浦和美園―赤羽岩渕」が470円もかかる。私がふだん利用している京浜東北線「浦和―赤羽」が220円であることを考えれば、いかに高額であるかが分かるだろう。埼玉高速鉄道は埼玉高額鉄道である。

 が、鉄道が一本開通したことの効果は大きく、人口は急激に増加した。この4月、地域に美園北小学校と美園南中学校が開校したことを見ても、人口の増加ぶりが分かろうというものだ。
 県内では、統合による新校開設というのはあるが、既存の学校の容量オーバーで新設というのは、この少子化時代に珍しいことだ。

 美園南中学校は、美園中学校から分離した形だが、新校舎建設途上に受託した建設会社が倒産するというアクシデントがあり、完成が4月開校には間に合わず、9月にずれ込んだ。

 と、グダグダ美園の話を書き連ねたのは、先週2回ほど浦和美園地区に行く機会があったからだ。
 一つ目は、浦和美園駅を最寄り駅とする青山学院大学系属浦和ルーテル学院訪問。小中高12年一貫校だが、以前は浦和区駒場にあった。そう言えば、この時もサッカー場の傍だった。
 来年度はかなりの数の高入生を募集するということなので、その件と、系属校となって教育内容や進路指導がどう変わるのかについて聞いてきた。

 二つ目は春日部共栄中学校のナイト説明会。浦和美園駅の駅ビルの中に会議室やカルチャー教室用の貸しスペースがあるので、そこで開くということだった。駅ナカにこんな施設があるとは知らなかったが、それよりも、この地域初の私立学校による学校説明会ということで、こちらに注目だ。
 仮に春日部共栄がここにスクールバスを出せば、学校まで20分~25分程度で行けることになる。

 もっとも、前述の埼玉高速鉄道を使えば、一駅で武蔵野線東川口駅。また、赤羽岩渕から先は地下鉄南北線に乗り入れているので、駒込、市谷、飯田橋、四谷など都心部にも30~40分で行くことができ、この地域の目は武蔵野線沿線や都内に向く可能性も高い。

 浦和美園駅周辺には、まだ塾がない。増えたと言ってもまだ人口がそこまで行っていないのか、または世代が若すぎるのか、もしくはテナントが少ないのか。そのあたりはもう少し調べてみないと分からないが、いろいろな意味で右肩上がりの地域であることは確かなようだ。