個人の事情を言い出だしたらキリがないから、まず大原則を決めようじゃないか。というのは、昨夜のように台風が襲来した場合の対応についてだ。

 まず私の立場を明らかにしておくと、二つの理由で、このような場合、簡単に休みにすることができる。第一は、誰の許可も受けず自分の判断で休みにできる自由業であること。第二に私が一日二日休んでも誰にも迷惑がかからないこと。言い換えれば、世の中にとってどうでもいい仕事しかしていないということ。

 そんな私が、会社はどうすべきだとか、サラリーマンはどう行動すべきかと言っても、ほとんど説得力はないし、そもそも発言する資格すらないのかもしれない。私自身、テレビのコメンテーターとかユーチューバーなど組織に属しているわけではない人間が、「こんな時に無理して行くなんて、会社もサラリーマンもどうかしてる」と言うのを聞いて、「バーカ、お前が言うな」と馬鹿にしているのだ。他人のこと言う前に、まずお前らが休めよ。

 学校は休みでいい。休んだ分の授業はどこかで振り替えなくてはいけないが、何とかなる。止めてはいけない生産活動やサービスに従事している人を優先するために、また邪魔しないために、学生や生徒は休ませるべきなのだ。

 キミたちが危険な目に遭うといけないから休みなさいというのもあるが、命がけで仕事をしなければならない人に迷惑をかけるから休みなさい、なのだ。

 天災から逃れられない国に生きている以上、避難の仕方やら、備蓄の必要性やら、教えるべきことは多い。その中の一つとして、休むことの積極的な意味というのも教えてやるべきだろう。台風や大雪や大雨は、世の中の仕組みを知るための格好の教材だ。