試験のときのケアレスミスはどうしたらなくせますか。最後に見直しをしているのにミスが出ます。どうしたらいいですか? これ、中学生向け受験情報紙「Q&Aコーナー」における質問で、私はこれに回答しなければならない。

 答え。塾の先生に聞きなさい。
 ケアレスミスに関して指導助言をしたことのない先生はいないでしょう。いろんな事例を知っているはずだし、弱点の矯正は、ふだん見ている人にやってもらうのが一番正確。
 が、中学校を通して生徒に配る新聞であるという性格上、この回答は不採用。

 答え。テストのときだけなくそうと思っても無理。ふだんから直さなきゃダメ。
 これはセーフの回答だが、ややインパクトに欠けるので、今回は不採用。

 さてさて、どうしたものか。
 結局、回答は次の二つ。

 答え1。最後に見直すという考え方をやめましょう。
 「後で見直せばいいや」ではなく、問題ごとに見直す。最後に見直すというのは、余った時間でやろうということだ。見直しをなめてるんじゃない。そういう「ついで」みたいな位置づけだからダメなんだ。時間が余らなかったら、やらないってことじゃないか。「答えを出す」「答えを書く」「答えを見直す」の三つはセットなんだよ。
 まあ、こんなテキトーな書き方はしないが、言いたいのはそういうこと。

 答え2。「注意(ケア)のしどころ」を覚えましょう。
 1問や2問じゃ分からない。たくさん問題をやって、たくさん失敗しているうちに自分の傾向が見えてくる。そうすると「注意(ケア)のしどころ」みたいなものが分かってくる。要するにコツだね。技術と言ってもいい。技術を持たない人間が、いくら眺めたってミスは発見できないよ。
 まあ、これも、こんな乱暴な書き方はしないが、要はそういうこと。

 私の関係する新聞・出版の世界には、校閲(こうえつ)という係の人がいる。一種の専門職であるわけだが、この人たちは、どうやったらそこに気づくのよと思うくらい見事に誤字脱字や表現の誤り、前後の文との整合性の不備などを見つけてくる。やっぱり技術と経験なんだろうね。

 中学生にそこまでは求めないが、落ち着きがないとか、あわて者とか、性格の問題にしないで、ミス発見の技術みたいなものを教えられないかと思う。