広報の対象は小学生。今日の埼玉新聞に、県立浦和高校が20日、作家で同校OBの佐藤優氏を招き、小学生の保護者向け講演会を開催するという記事が出ていた。
 私立一貫校を意識したものだね。

 ちなみに佐藤優氏と小島克也校長は同期生だから、そういうご縁というところか。彼らは私より8学年下で、ちょうど私が教育実習に行ったとき高校3年生だった。というのは、あとで調べて分かったことでお互いの記憶の中にあるはずがない。

 浦高が小学生向けイベントを行うのは、かなり前からのことで、今年もこれとは別に「小学生冬休み特別教室」(12月14日、15日)が行われる。こっちは部活の連中が子供たちと一緒に遊んであげるというもので、男子校なのにサッカー少女やラグビー少女もやって来る。以前見に行ったことがあるが、小学生と普通に遊べる浦高生は相当に精神年齢が低いんじゃないかと思った。

 小学生にまでターゲットを広げた方がいいというのは、OBの一人として言い続けてきたので、それはいいが、私は近隣の公立中学校も巻き込んだ動きにして行かないと、浦高単独では限界があるとも言ってきた。

 現在埼玉県には3つの公立中高一貫校と31校の私立中高一貫校がある。間もなく川口市立が開校になるから公立は4校になる。都立はもっとある。都内私立は数えきれない。というか高校単独校を探すのが大変なくらいだ。

 言葉は適切ではないが、中学3年生になるまで待っていると、小学6年時点でどんどんお客が横取りされてしまう。今やそういう時代だ。浦高の良さ、男子校の良さを体験しているOBだって、わが子をどんどん私立一貫校に行かせているではないか。親が公立の先生という私立生など珍しくもない。

 県立川越なども似たようなイベントをかなり前からやっているが、他はほとんどない。まあ中3生を集めるのに苦労しているのだから、とてもじゃないが小学生に目を向ける余裕はないのが実情だろう。

 公立関係者の中には、私立中高一貫は大学受験に特化した詰め込み教育をしているのではないかと思い込んでいる人がいるようだが、よく考えてみろ。たった1年間の受験生活だって大変なんだ。6年間も続けられるものか。私立中学生は、ばかみたいに部活に明け暮れている公立中学生に比べりゃ、ずっと穏やかな子供らしい生活を送っているよ。

 「中学校までは公立で」という常識が未だ生き永らえているのは公立がタダだからだ。しかし、世の中の大きな流れは、ゆっくりとではあるが「教育には幼稚園から大学まで全部タダでいいんじゃね」という方向に向かっている。

 私は公務員で公立で食わしてもらってきたこともある人間だから、公立というシステムの良さも分かっているつもりだが、教員同士でイジメ合っているようじゃ民心はどんどん離れて行くよ。テメエら、先生という仕事を何だと思ってるんだ。
 最後は話がそれた。