埼玉県教委から第1回進路希望状況調査(10月1日現在)の集計結果が発表されたので、さっそく見ておこう。

 とりあえず頭に入れておく必要があるのは、卒業予定者数が63,093人で前年より917人減少していること。卒業予定者数≒受験者数が減れば、入試は楽になりそうなものだが、公立はそれに応じて募集人員を減らしているから、全体的に見た場合、必ずしも楽になるとは限らない。

 ここでは全日制高校希望者について少し詳しく見てみる。
 定時制・通信制・特別支援学校などは割愛するが、定時制(563人→679人)・通信制(1114人→1307人)の希望者数が前年より増えている点に注目しておこう
 
 全日制希望者は57.895人で、前年より1,282人減少している。
 このうち県内希望者は54,111人で、前年より1,498人減少している。一方、県外希望者は3,784人で、前年より216人増加している。
 県内希望者の内訳を見てみると、公立希望者は44,945人で、前年より2,016人減少している。一方、私立希望者は8,971人で、前年より486人増加している。なお、私立希望者の中には内部進学者も含まれている点に注意しておこう。

 ここまでまとめると。
 公立希望者 減少
 私立希望者 増加
 県外希望者 増加

 つまり、県外希望者の90%近くは東京及び近県私立であるから、合わせると「私立希望者の増加、公立希望者の減少」という状況が見えてくる。

 新聞では私立高校希望者の数は掲載されないと思うので、ここで私立希望者の数を見ておこう。
 中高一貫校の場合、前述のように内部進学者数もカウントされるので、ここでは高校単独校を見ることにする。数字は(前年同期→今回)である。
 
 浦和学院(273人→310人)+37人
 浦和麗明(97人→159人)+62人
 叡明(212人→205人)-7人
 川越東(190人→191人)+1人
 栄北(113人→172人)+59人
 正智深谷(171人→173人)+2人
 花咲徳栄(212人→233人)+21人
 東野(50人→62人)+12人
 山村学園(192人→183人)-9人
 山村国際(159人→101人)-58人
 
 内部進学者の増減に左右されない高校単独校の状況からも私立希望者の増加という状況が見てとれる。なお、山村国際の-58人が目を引くが、過去2年、かなりの定員超過になっているので抑制に入っているものとみられる。

 では、次に注目の公立各校の倍率を見てみようと思うが、それは次の記事で。