埼玉県公立高校入試が終わった。正確には学力検査が終わった。一部の学校では3月2日(月)に実技検査や面接が行われるが、山は越した。

◆公立高校入試はこれからが本番
 埼玉県民にとっては公立高校入試はほぼ終了だが、日本全国を見渡してみると、追検査や欠員補充を別とすれば、入試が終わったのは神奈川県・東京都と一応埼玉県の1都2県であり、残りの1道2府39県の公立高校入試は来週から再来週にかけて行われるのである。
 私が確認した限りでは、今のところ「予定通り実施」としているか、日程については特に何も言っていないかのどちらかであるから、おそらくこのまま行われるとは思うが、日々刻刻状況が変化しているので予断は許さない。

◆臨時休校は、だれがどう決める
 ニュースでは「全小中学校、休校へ」などといった見出しが躍るが、今のところ安倍首相の要請であるから、各学校がそれを新聞やテレビで見て何らかの決定をするということはできないのである。要請はあくまでもお願いであって命令ではない。
 実際のところ命令に近いのも事実だが、法的な拘束力はない。
 
 感染症予防のために臨時休校するかどうかの決定権者は、学校の設置者である(学校安全保健法20条)。つまり、県立高校なら県(実質的には県教育委員会)、市町村立の小中学校なら市町村(実質的には市町村教育委員会)であり、私立学校なら学校法人(実質的には各学校)である。
 したがって、公立学校にあっては、文部科学省から通知を受けた後、教育委員会が対応を検討決定し、各学校に通知するという形になるだろう。
 今日一日、個人的にはニュースに接する時間がなかったので未確認だが、28日中には文部科学省から各教育委員会への通知がなされたと思う。
 私立学校は、教育委員会の管轄下にないので、すでに独自の対応を決めた学校も多いようだ。

 文部科学省としては、最終的な判断は各都道府県や市町村に任せるという立場だが、かれらはお役人であるから、「万一休校せず、コロナ感染者が出た場合、責任を問われるのではないか」と考えるだろうから、結局は首相の要請通りとなるだろう。

◆塾はどうするの?
 設置者が考えなさい。
 法的に誰の管轄下にもないのだから、それしかないでしょう。
 休みの間の学力低下を防ぐには塾が一番頼りになるのだから、今こそ出番ですよ。
 ふだん、学校ができないことをやるんだと言ってなかったっけ?
 ディズニーランドに行ったり、原宿あたりをうろつくより、よほどいい。私だったらやるね。もちろん、無理に来いとは言わない。危険だと思うなら来なくてもいい。YouTubeで動画流してやるから、それを見なさい。

 塾は開けとくよ。机も椅子も壁もトイレも全部アルコール消毒しておくよ。石鹸でゴシゴシ手洗いして、ゴロゴロうがいして、念のため検温して、マスクで武装して、席は1m離して、適宜換気して、やるよ。それでも自宅の方が安全だというなら、それは各自の判断として尊重しよう。
 遅れた分は補習もするし、事によったら休んだ分の授業料は減額したっていい。要するに、この際、自分で判断して(もちろん親と相談してだが)、自分の行動を決めるという経験をさせたいと思っているわけだ。
 というわけだから、よそがどうこうではなく、わが塾は総合的判断に基づき一定期間閉鎖するという判断があってもそれも認めるつもりだ。