なぜか内閣支持率が前月より上昇している。時事通信社世論調査で39.3%(前月比+0.7ポイント)、朝日新聞で41%(同+2ポイント)、共同通信に至っては49.7%(同+8.7ポイント)。はて、支持率上昇につながる材料が何かあっただろうかと思い返してみるが、個人的にはあまり浮かばない。まあ、この手の調査は、各人が自分に都合のいいように解釈するものなので、ああそうですかと受け止めればいいのだろう。

◆全国学力テスト、今年は見送りでもいい
 新型コロナウィルスがらみでは17日、萩生田文部科学相が閣議後記者会見で、4月16日実施予定だった「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)を延期すると発表した。
 十分な準備ができない中、つまり点数を上げるための対策ができな中で、ぶっつけ本番に近い状態でやってみるのも悪くないが、年度末にやるべきことが年度初めに繰り越されている状況を考えれば妥当な判断と言えるだろう。
 個人的には、学力調査もさることながら学習状況調査の方に注目しているので、不要論には立たないが、これを機に方法は再検討してもらいたいと思う。純粋に調査目的ということなら必ずしも悉皆(しっかい)調査である必要はないだろう。悉皆調査(全数調査)の代表的なものは国勢調査であるが、そこまでの必要があるのかどうか。要は求める精度と、かかる費用・労力とのバランスなのだが、この調査に関しては標本調査でも十分に目的は達せられると思う。
 どうせ延期するのなら、ついでに今年に限って標本調査でやってみるというのも一つの手だ。東日本大震災があった2011年は中止という前例もあるわけだし、1年くらいやらなくたって、どうということはない。

◆教育の地方分権を取り戻す
 わが国の戦後教育改革は地方分権をめざして始まった。だが、国際政治や国内政治の状況が変化する中、次第に文部省(現文部科学省)を頂点とする中央集権化が進んだ。
 今般の新型コロナウィルス感染症対策については、地方丸投げという批判も見受けられるが、私は丸投げ結構、今こそ地方分権を取り戻すチャンスだと受け止めている。国ができるのは要請まで。具体的な指示・命令までは出さない。あとは地域の実情に応じて各自治体が適宜判断する。これでいいと思う。実際、独自の判断で行動した自治体もあるわけだし、直接国や教育委員会の監督下にない私立が独自路線を貫いた例も数多い。
 もちろん、各自治体が何でも好き勝手にやっていいわけではなく、国としての統一性、一貫性も必要なのだが、ここで言いたのは、国の指示が出なければ何もできないというのでは情けないではないかということだ。原点に立ち返るいい機会だ。

 それはそれとして、国は一斉休校を要請したのだから、どこかで解除の要請をしないと帳尻が合わない。 一刻も早い解除要請を期待する。

 以上、本日は雑感2題。