私は学校の周りをウロウロしながら生活している者である。まるで不審者。お上品に言えば、学校を訪ね、取材し、記事を書いて生計を立てているのだが、今般のコロナ騒動で学校に行けなくなった。先生に会えなくなった。70年近い人生で初めての長期休暇だ。

 が、この休暇を満喫するというわけにはいかない。いまだ現役で会社をやっているから、家賃やら人件費やら税金やらが容赦なく襲ってくる。収入はないが支出だけはある。この状態はコロナよりもはるかに恐ろしい。
 コロナで死ぬ人は少ないが、過剰とも言える自粛により経済を停滞させた結果、大量の自殺者が出るのは間違いない。
 私は痛いのとか苦しいのは苦手だからそうはならないと思うけど。

 おそらく、若い人たち(私から見た若い人は50代まで含まれるよ)は、緊急事態宣言が解けて、学校が再開されたら、「さあ、頑張ろう」と手ぐすね引いてその日を待っていると思う。
 先生方は、休校中の今も十分に忙しいと思うが、学校が始まったらもっと忙しくなる。だが、そういう日常が待っていること自体が羨ましいことなのだ。

 長い休暇で自分と向き合う時間が増えた。それで分かった。年をとった自分は、実は不要不急の仕事しかしていなかったのだ。自分でも気づかず、誰も教えてくれなかった事実を、コロナによる長い休暇が教えてくれた。コロナ君、ありがとう。

 私には戻らなければならぬ日常がない。
 いや、あるのかもしれないが、そこに積極的に戻ろうという気持ちが起こらない。若いころは雨が止んだら外に出ようと思った。実際に出た。今は、このまま家の中でゴロゴロしててもいいかなという気分。

 困ったことだ。世間では誰一人困る人はいないが、個人的に困る。
 お薬は?
 たぶん学校だろうね。
 これ、もしかしたら子供たちも一緒。親たちは意欲の低下やら、学力の停滞やら、生活習慣の乱れやら、いろいろ心配しているが、なに心配ない。学校が特効薬だ。主治医の先生方お願いしますよ。
 ついでに私も。

 ということで、どうでもいいことを書き連ねたわけだが、今日は県の感染症会議も行われたはずだし、そろそろ県教委から県立学校再開に向けてのガイドラインのようなものが出るタイミングなので、そのことを書こうと思った。が、特に何の発表もなかったので駄文でお茶を濁した。