埼玉県教育委員会は11日、第2回進路希望状況調査の結果を発表した。
昨年末(2023年12月15日現在)の調査結果である。
学校・学科ごと倍率など詳細データはこちらで見ることができる。
令和6年3月中学校等卒業予定者の進路希望状況調査(令和5年12月15日現在)↓
第1表 調査の概況(PDF)
第2表 統計表(エクセルデータ)
これに加え、第1表、第2表の一括ダウンロード(PDF)
という構成になっている。
統計表(エクセルデータ)のうち、皆さんの関心が高いと思われる学校、学科ごとの志願者及び倍率については、「第1表」に全日制普通科、「第1表続」に全日制専門学科と総合学科のデータが出ている。
私立の希望状況については「第4~6表」に出ている。
◆全体倍率と学科別倍率
本日は主に公立普通科校の倍率を見て行くが、まず全体倍率と学科別倍率を見ておこう。
カッコ内左側は前年同期、右側は前前年同期の倍率である。
●全日制全体 1.13倍(1.12倍 1.12倍)
●普通科 1.19倍(1.20倍 1.19倍)
●専門学科 0.96倍(0.90倍 0.93倍)
●総合学科 0.99倍(0.92倍 0.92倍)
全日制全体の倍率は僅かに上昇した。
普通科は下がったが、専門学科と総合学科の上昇が全体倍率をやや押し上げた。
専門学科では農業、商業、外国語などに上昇が見られたが、理数科は下がった。
普通科の倍率上位校を見てみよう。
普通科は全部で102の学校(学科とコース合わせて)がある。
カッコ内左側は前年同期、右側は前前年同期の倍率である。
◆普通科倍率上位校(1位~10位)
01 市立川越 2.64(2.01 2.50)
02 市立浦和 2.34(2.85 2.80)
03 浦和西 1.72(1.70 1.91)
03 越ヶ谷 1.72(1.75 1.61)
05 川口市立(普)1.71(2.69 2.53)
06 大宮 1.70(1.72 1.71)
07 和光国際 1.69(1.51 1.61)
08 川口市立(スポ科)1.68(1.58 1.34)
09 所沢 1.67(1.56 1.44)
10 川越南 1.62(1.71 1.76)
上位10校の顔ぶれは前年同期とほぼ同じだ。
前年同期4位の越谷南、同5位の上尾、同10位の浦和南が姿を消し、代わって前年同期15位の和光国際、同12位の川口市立スポーツ科学、同13位の所沢がベスト10入りした。
市立川越が首位に立ち、市立浦和が2位に後退した。
◆普通科倍率上位校(11位~20位)
11 上尾 1.61(1.75 1.36)
11 越谷南 1.61(1.82 1.79)
13 蕨 1.59(1.49 1.53)
14 浦和南 1.56(1.67 1.80)
15 川越 1.55(1.40 1.46)
16 熊谷西 1.52(1.32 1.32)
17 川口 1.47(1.25 1.30)
18 南稜 1.46(1.49 1.73)
19 志木 1.44(1.21 0.98)
19 鳩ヶ谷 1.44(1.59 1.72)
川口、志木の2校が倍率、順位とも大きく上げている。
熊谷西は北部地区では他校を大きく引き離してトップ。
◆普通科倍率上位校(21位~30位)
21 浦和北 1.42(1.45 1.10)
21 浦和東 1.42(1.40 1.26)
23 川口北 1.40(1.18 1.04)
23 豊岡 1.40(1.22 1.32)
23 大宮北 1.40(1.35 1.43)
26 与野 1.34(1.20 1.36)
27 浦和 1.33(1.53 1.37)
28 浦和一女 1.32(1.28 1.38)
29 松伏 1.31(1.00 1.00)
30 不動岡 1.30(1.30 1.20)
浦和勢は、市立浦和、浦和西、浦和南、浦和北、浦和東、浦和、浦和一女といずれも30位以内だが、浦和、浦和一女の両伝統校がその中では最低という点がやや気になるところではある。ただ倍率そのものは過去の同期と比べて極端に低いわけではない。
川口北が大きく上昇した。一時の低迷からは脱したようだ。
松伏は急上昇しているが120人定員の小規模校なので変動幅が大きくなりがちだ。
◆普通科倍率上位校(31位~40位)
31 伊奈学園 1.27(1.34 1.20)
32 朝霞西 1.26(1.03 1.17)
32 川越女子 1.26(1.31 1.34)
34 春日部 1.25(1.08 1.05)
34 越谷北 1.25(1.26 1.58)
34 草加東 1.25(1.26 1.25)
34 所沢西 1.25(1.03 1.13)
38 杉戸 1.24(0.87 0.95)
39 朝霞 1.22(1.12 1.06)
39 鴻巣 1.22(1.20 1.17)
朝霞西と所沢西は募集40人減の影響もありそうだ。
川越女子は前年同期と比べ大きく下がったようには見えないが、この時期1.4~1.5倍台が普通に出ていた学校だ。おそらく1.2倍台は初めてだろう。
春日部は一気に上昇した。隣接県受験生は今回の調査対象になっていないので、本番ではさらに倍率が上がる可能性もある。
越谷北は前年同期とほぼ同じだが、かつてはこの時期1.5倍台が出ていた学校なので、落ち込みからの完全回復はできていないように見える。
杉戸は過去5年間、この時期は1倍を割っていた。今回、前年同期との比較でもっとも倍率が上がったのが市立川越の0.64ポイント、次いで富士見の0.40ポイントで、0.38ポイント増の杉戸は上昇率第3位。ただし、増加実人数で見ると、105人増の杉戸が市立川越(89人増)、富士見(80人増)を上回っている。
◆普通科倍率上位校(41位~50位)
41 春日部女子 1.21(1.00 0.87)
42 岩槻 1.19(1.32 0.78)
43 大宮光陵 1.18(1.26 1.16)
43 草加南 1.18(1.10 1.06)
45 坂戸 1.16(1.24 1.09)
45 庄和 1.16(1.00 0.72)
47 入間向陽 1.14(1.17 1.36)
47 所沢北 1.14(1.50 1.64)
49 本庄 1.12(1.13 1.13)
50 大宮南 1.11(1.20 1.28)
50 所沢中央 1.11(1.14 1.07)
50 深谷第一 1.11(1.21 1.33)
50 三郷北 1.11(0.95 1.05)
42位の岩槻までが全県普通科平均1.19倍を上回っている。
岩槻はこの時期、4年連続1倍を割っていたが前年1.32倍と急上昇した。今年はその反動が予想されたが、ギリギリ全県平均に踏みとどまった。
春日部女子は普通科、外国語科ともに1倍を超えている。
所沢北がこのレベルで登場したことに驚かれた人は多いだろう。4年前(令和2年度)、この時期1.28倍だったがそれをさらに下回った。
◆その他の学校の倍率
54位以下は以下のとおりである。
54 川口青陵 1.09、
55 大宮光陵(外国語コース)1.08
55 越谷西 1.08
55 坂戸西 1.08
58 草加 1.06
59 八潮南 1.05
60 狭山清陵 1.04
61 鷲宮 1.03
62 上尾南 1.02
62 小川 1.02
62 川口東 1.02
ここまでが1.0倍を上回った学校で全部で64校(コース含む)。
学校選択問題採用校では熊谷、熊谷女子が1倍に達していない。
73 熊谷 0.92(1.01 1.00)
80 熊谷女子 0.86(1.03 1.07)
両校は3年前、この時期に1倍に達しなかったことがあるが、最終的には定員を満たした。
38校(コース含む)がこの段階で1倍を割り、定員割れ状態である。
東部地区では春日部東(0.99)、久喜(0.88)など、西部地区では松山女子(0.98)、松山(0.88)など、南部地区では大宮東(0.91)など、北部地区では前出の熊谷、熊谷女子のほか秩父(0.91)などが現状では1倍に達していない。
以上、大至急、普通科の一部についてまとめた。
次回は専門高校(専門学科)、総合学科についてまとめる予定だ。
【追記】
専門学科、総合学科についてはこちらへ
第2回進路希望調査結果【続報:専門学科等】2024埼玉県高校入試(1月12日)
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