衆議院選挙と共に実施される最高裁判所裁判官の国民審査。
中学校の教科書では三権分立の抑制と均衡がらみで、ちょこっと記述されている程度か。
ほとんど誰も興味を示さないが、これに関して地味に良い仕事をしているサイトがあるので紹介しておこう。
NHKのサイトである。
「最高裁判所裁判官国民審査2021 憲法の番人にふさわしいのは」NHK
これまで、この制度により罷免された裁判官はいない。
形骸化した制度である。
辞めさせたい裁判官に「×」を付ける方式だが、続けさせたい裁判官に「〇」を付ける方式だったら、過半数を取れない裁判官が続出するかもしれない。
議員選挙だけ行い、国民審査は棄権することも出来るが、私の場合は一応投票する。
「×」を付ける裁判官がいる場合もあれば、いない場合もある。
全員に「×」を付けるような真似はしない。
元社会科教員の矜持。
と言っては大げさだが、人が見ていなくても、ちゃんとやらないと。
各戸に選挙公報とともに国民審査公報が配布される。
審査対象となる裁判官(今回は15人中11人)のプロフィールや、関わった主要裁判とどんな立場をとったか、裁判官としての心構えなどが記載されている。
で、昨日は少し時間があったので、何となく眺めていたが、ある部分が目に留まった。
私は一瞬、椅子からずり落ちそうになった。
というのは冗談だが、「冗談だろう」と思ったのは事実だ。
岡正晶裁判官。
この人は令和3年9月の任官。
つい最近のことだから、関与した主要な裁判の項に、「最高裁判事就任後日が浅いため、特に記すべきものはありません」とあるのは仕方ない。
だったら高裁や地裁の時でも書けばいいのにと思ったが、この人は裁判官経験がないみたいだ。
弁護士出身枠で任官されたわけだ。
「冗談だろう」と思ったのは、「裁判官としての心構え」の後に、「趣味など」とあることだ。
ウッソー。
最高裁判事として適切かどうかを趣味で判断しろってこと?
ご冗談でしょう。
書く方も書く方だけど、公報はそれを許しちゃうの?
まあ堂々配布しているところを見ると趣味を書いてもいいんだろうね。
でも、趣味を示されてもこちらとしては「憲法の番人」としてふさわしいかどうか判断しかねる。
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