2月如月(きさらぎ)は、寒さゆえ着物の上にさらに着物を着ることから「着更着(きさらぎ)」とされたのだという説がある。今日は「着更着」と呼ぶにふさわしい寒さ。そんな中、埼玉県の北のはずれ、本庄市に行って来た。
古くは中山道の宿場町として栄えた本庄市は、今は人口7万8千人の小都市である(平成18年に児玉町と合併。合併以前は6万人)。
こんな小さな町だが、新幹線の駅(本庄早稲田駅)がある。県内の新幹線の駅は、ここ以外には大宮と熊谷しかない。また、私立学校が3校(本庄第一・本庄東・早大本庄)もある。全日制普通科高校という括りだと、3校以上というのは他にはさいたま市の10校、川越市の6校があるのみだ。
で、本庄市の紹介はこのくらいにして、本日の旅(浦和の住民としてはそんな感覚)の目的は市内にある老舗個人塾を訪ねることだった。昨日の話の続きで言えば、バリバリのオーナー塾だ。
オーナー塾長が、埼玉新聞模試についてご意見があるというので、私も勉強のため新聞社の担当に同行させてもらった。話の内容はやや専門的になるので別の機会に譲るとして、私の一番の感動ポイントを紹介しよう。
これだ。
薪ストーブのある塾。
玄関を入ったとき、何か常とは異なる暖かさを感じたのはこれだったのね。赤く燃え上がる炎はずっと見ていられそう。そうか。暖かさって目でも感じるものだったんだ。心も暖まるって、このことなんだ。
それにしても、よくぞこんなことを思いついたものだ。
だが、それを実現できてしまうのがオーナー塾ならではであって、大きな組織だったら、生徒の癒しの場として薪ストーブの間を作りましょう、などと提案したって即却下だろう。オーナーの趣味と言ってしまえばそれまでだが、思いは子どもたちに十分過ぎるほど伝わるはずだ。
そうそう、この塾は全ての椅子が背もたれも座面も木製ではない、柔らかで弾力のある素材でできたものだった。
椅子の話はつい最近もしたばかりだが、やっぱり私と同じ考えの塾長がいるんだ。
日々机の前に座っているだけでは分からないことが多い。いや、分からないことばかりだ。今日はいい勉強をさせてもらった。
これをお読みになっているオーナー塾長さん、ぜひ私に勉強の機会を与えて下さい。どこにでも行きますよ。
せっかく本庄まで行ったのだからと、本庄第一高校にも立ち寄った。
前日に連絡したが、この日は皆さんご多忙で時間は取れないとのこと。そこをご挨拶だけでもと無理を言っての訪問だったが、山城寿男校長はじめ皆さんが温かく歓迎してくれた。調子に乗った私たちは、中学校を見学させて下さいとまたもや無理を言ったのだが、これにも快く応じてくれた。それにしても我儘な訪問者たちだ。
この学校での感動ポイントを一つお伝えしておくと、先生方のご挨拶が実に素晴らしい。最近の学校はどこへ行っても生徒の挨拶は見事だ。しかし、先生方はいまいち。あまり心がこもっていないというか、下手をすると不審者でも見るような目つきでジロジロ見られたりするものだが、ここは違った。
さて、どこが違うんだろう?
目だ。
目が合うんだ。
ただ頭を下げりゃいいってもんじゃない。気持ちを伝えるのは目だ。挨拶は目でするものなんだ。それが出来ているから、感じがいいんだ。
はるばる本庄まで出かけて、暖かさって目で感じるものなんだ、挨拶は目でするものなんだ、と二つのことを学んだ。
というわけで話がうまくまとまったところで、本日はここまで。
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