問題は教える側なんじゃないか。
 読売新聞オンラインのこの記事。 
  文科省、「教職課程でICT教育科目の履修を義務付けへ」

 文部科学省は、小中高校の教員免許を取得するにあたり、教職課程でICT教育に関する科目の履修を義務付けることを決めた。
 新科目は「情報通信技術を活用した教育の理論と方法」(1単位)となるようだ。
 ICTを用いた教科指導、デジタル教材作成、オンライン教育の方法などを学ぶ。
 来年4月入学生から適用する。

 小中学校では「GIGAスクール構想」で児童生徒に一人一台の端末が配布された。
 が、教える側がPCもタブレットも使えないのでは話にならんから、先生(予備軍)に技術を習得させようというわけだ。

 話としては、まあそうでしょうねということなのだが、大学側のICT環境はどうなっているのか。
 そして何より重要なのは誰が教えるかなのだが、そのあたり大学側は対応できるのだろうか。
 コンピュータのスキルだけなら、企業などから外部講師を招けば済む話だが、教材づくりとか授業での活用となると、それらの専門知識がないと無理だ。

 小中高では年配の先生が対応できないという状況が生じているが、大学でも同じ問題が生じるのではないか。
 まさか大教室で座学なんてことにはならないと思うが、本当に役に立つ講座が成立するのか不安だ。

 私は、新しい科目を作るより、現行の科目・講座をICT化する方が先決ではないかと考えている。
 全部の科目・講座をICT化し、PCやタブレットやプロジェクターや電子黒板を駆使するようになれば、学生のスキルも自然に向上するだろう。
 そういう環境を整備し、スタッフを増強すれば、別に新しい科目を作るほどのことではない。

 授業手法の改善については、むしろ小中高の先生の方が熱心だし、実際進んでいるように見える。
 大学の事情にそれほど精通しているわけではないので、適当なことを言ってはいけないが、旧態依然の授業をしているのは大学の先生に多いのではないか.
 そんな印象を持っている私は、時代に取り残されているのか。