一日遅れになってしまったが、昨日の草加南高校女子バスケット部の取材について書いておこう。
 東京五輪では銀メダルを獲得した女子バスケであるが、埼玉県高校女バスに目を転じると、公立勢もなかなか頑張っておるという状況なのである。
 最近の若者言葉で言うと、「公立も、ワンチャン全国ある」といったところ。
 (使い方、これで合ってるか)

 今夏インターハイの女子埼玉県代表は埼玉栄(2大会連続)である。
 県予選結果は。
 優勝   埼玉栄
 準優勝  市立川越
 ベスト4 昌平
      山村学園
 ベスト8 滑川総合
      正智深谷
      浦和南
      久喜 
 ということで、準優勝の市立川越含め、ベスト8に公立が4校残っている。
 ベスト8に残ったのが市立川越ただ一校だった女バレと対照的だ。

 ひとつ前の大会となる関東大会予選の結果はどうだったか。
 優勝   市立川越
 準優勝  昌平
 ベスト4 山村学園
      埼玉栄
 ベスト8 正智深谷
      滑川総合
      久喜
      浦和南
 ベスト4、ベスト8の顔ぶれは一緒だが、微妙に順位は入れ替わっている。

 今シーズンここまでの戦績を見ると、埼玉栄・市立川越・昌平・山村学園が4強で、それを追うのが正智深谷・滑川総合・浦和南・久喜といった状況だ。
 そして、この下のベスト16レベルに、東部の春日部東・越谷西、西部の朝霞西・ふじみ野・松山女子、南部の川口市立・与野、北部の鴻巣、さらには浦和一女・浦和西・大宮東・川口東といった公立勢が虎視眈々上位をうかがうというのが今シーズンの県内高校女バス界の勢力図だ。

 で、肝心の草加南はどうしたという話だが、関東予選ではベスト8に入った滑川総合に、インターハイ予選では同じくベスト8に入った正智深谷にそれぞれ敗れ、上位進出を逃している。
 今シーズン最後の戦いとなるのは全国高校選手権(ウィンターカップ)。
 この大会は3年生も出場できる大会で、草加南も当然ながら3年生は残り、上位進出、あわよくば全国出場をと練習に励んでいるわけである。

 昨日は監督不在の中での練習だった。
 副顧問は付いていたが技術指導はしないようだ。

 選手だけの練習。
 なのだが、一つ一つのプレーに緩みはなく、練習メニューの切り替えも実に鮮やかで監督不在をまったく感じさせない。
 チームの目標が共有され、選手一人一人が自らの課題をはっきりと意識しているからだろう。
 こういう練習風景を見ると、監督が日頃どんな指導をしているかが、かえって良く分かるような気がした。

 キャプテンほか数名に、数ある学校の中でなぜこの学校を選んだのかを聞いた。
 「前田先生(顧問の先生のこと)の下でバスケをしたかったからです」。
 うーん、そうだね。結局そういうことなんだよ。
 チームの雰囲気が気に入ったとかもあるが、それも監督のチーム作りの一環であるわけで、高校選びは指導者選びということになるんだね。

 選手が集まらないと嘆いている指導者の皆さん。
 それは、あなたが選ばれなかったということですよ。

 むろん成績のことやら、学費のことやら、学校の支援体制のことやら、さまざまな事情があるのは承知の上だが、そこに全部押し付けてはいけない。
 私もかつて部活顧問をやっていたわけだが、勝てない理由、選手が集まらない理由を山ほど挙げていたね。そうじゃない。それ以前の問題として、実は私自身が選ばれていなかったのだ。
 まだまだ将来がある指導者の皆さん。自身を高め、磨き、選ばれる指導者を目指しましょう。