果たしてどれだけ需要があるのか。それは分からないが、前年度(令和3年度)埼玉県公立入試の小問ごと通過率をまとめてみた。
 元データは埼玉県立総合教育センターのホームページにある。

 センターのホームページには、小問ごとに正答・一部正答・誤答・無答の数と割合が示されているが、今回は通過率だけを見て行く。
 通過率と正答率はイコールではないが、正答率が高ければ通過率も高く、正答率が低ければ通過率も低いという関係が見られる。
 よって、今回は、通過率をもって問題難易度の目安とする。

 通過率は「易」「やや易」「標準」「やや難」「難」の5段階で分類してみた。
 通過率90以上  「易」
 通過率70~89% 「やや易」
 通過率30~69% 「標準」
 通過率10~29% 「やや難」
 通過率10%未満 「難」
 ここはいろいろな考え方があるところだと思うが、今回は以上の分け方である。

◆国語

 小問25題中、半数を超える14題が「易」または「やや易」に分類された。 これなら70点近い平均点もうなづける。
 「大問1 長文読解(小説)」が例年より取り組みやすかった。「大問3 長文読解(論説)」にも例年なら1題くらいは「難」または「やや難」があるのだが、それもなかった。
 受験生の中に「国語楽勝ムード」が広まらないようにしたい。

◆数学
 
 大問1の点の取りやすさは以前からの傾向だが、昨年(令和2年度)から大問2、3、4の中にも点が取りやすい問題が含まれるようになった。

◆数学・学校選択
 
 さすがに学校選択になると「難」や「やや難も増えてくる。採用校の中でもトップレベルを狙うなら、、こうした難度の高い問題を攻略できないと苦しいだろう。

◆社会
 
 元々「難」や「やや難」が少ない教科だ。「標準」の中でも50%~60%というのは、出来る人半分、出来ない人半分と考えられるので、基礎基本的用語等をしっかり押えられるかだろう。3年度は出題除外範囲があった関係で公民の配点が減り、地理・歴史に割り振られている。

◆理科
 
 例年だと「大問5 物理分野」に1題くらい「難」が含まれていたのだが、今回は「大問3 生物分野」の中にそれがあった。社会同様だが、「標準」とされているあたりの問題の出来で点数が大きく変わってくる。

◆英語
 
 「やや易」はそこそこあるが「易」はない。「やや難」はあるが「難」はない。出来る人、出来ない人で二分される「標準」が多い。特に「大問1 リスニング」にその傾向が強い。

◆英語・学校選択
 
 「易」や「やや易」ばかりの「大問1 リスニング」の失点は許されない。
 リスニングは設問・解答方式において学力検査問題と多少の差異を設けているが、同一で実施するのは限界がありそうだ。

 以上、簡単なレポートだ。
 通過率の低さが、無答が多いためなのか、誤答が多いためなのかなど、そのあたりも調べてみると、いろいろなことが見えてくるだろう。