「人によって言うことが違います。高校入試情報はどれを信じたらいいのでしょうか?」
 これ、保護者からよくある質問。
 勉強法だったらいろいろな考え方があっていいと思うが、入試制度や仕組みなどは真実は一つじゃないとおかしいから、確かに人によって違っていたら迷うだろう。

 最初に結論を言っておくと、「信じる人を決める」のがいいと思う。
 では誰を信じるか。それは普通に考えて、中学校の先生とか塾の先生とか、身近にいる先生でしょう。

 私のような立場の人間でもいいし、YouTubeやTwitterで情報発信している人でもいいが、ちょっとばかり警戒したほうがいい。
 自分で言うのも何だが、そういう人間は、ある意図を持って情報発信している。
 簡単に言うとビジネス(商売)として発信しているわけだ。
 もちろん嘘は言わないわけだし、間違った情報を流すことはまず無いと言っていいが、どの情報を流し、どの情報を流さないかという時点でビジネス発想が入る。
 下世話な言い方をすれば、商売に有利な情報は発信するけど、商売に不利な情報は発信しない。
 そういう場合もある。

 その点、身近にいる先生は、あなたのこと、あなたのお子さんのことを思って情報を集め、伝えている。
 あなたが受かるための情報、あなたのお子さんが受かるための情報を必死で集め、もれなく伝えている。
 だから、信じるなら、どう考えてもそっちでしょう。

 それに、迷ったり疑問に思ったりしたら、ダイレクトに質問できる。
 名前も知らない、会ったこともない、どんな背景があるかも分からない人だと、それは難しい。
 一般論的な質問は出来るけど、返ってくるのは一般的な答えでしかない。

 だから、まずは身近にいる先生を信じなさい。

 私はその昔先生だったわけだが、生徒や保護者がマスコミなどで名の知れた先生の方を信じてたらガッカリだよ。
 同じ学校の他の先生だったら、まだ許せる。
 担任より部活顧問を頼りにしている子もいるし、好きな教科の先生を頼りにしている子もいる。
 でも結局は身近にいて、自分のことを良く知ってくれている先生であることに変わりはない。

 ネット上にもいろいろな情報が流れているが、これも注意が必要だ。
 在校生とか卒業生とか保護者とか書いてあっても、本当かどうか確かめようがない。
 むろん善意の人がほとんどだと思うが、中には悪意の人もいる。
 間違った情報は、別の人が正してくれることも多いから、長い目で見れば、ほぼ正しい情報に収斂されて行く。
 そういう意味で全否定するものではないが、所詮は赤の他人だ。

 見ず知らずの人の意見やアドバイスで、将来に関わる大事な決定をしてしまうのはいかにもまずい。
 「信じる人」は身近にいて、お互い気持ちが通じ合っている人であるべきだと思う。