時々受験生親子がやって来る。私は塾業をやっているわけではないので、知り合いか、知り合いの知り合い、そのまた知り合いというような関係だ。
とにかく勉強が苦手で困っている。
学校にも塾にも行くし、勉強そのものを放棄しているわけではない。
なるほど。
たしかに、そういう子もいる。
多分、いわゆるお勉強が向いてないのだから、別の道を考えた方がいいと思うけどね。
今の日本、どんな仕事に就いたって、自分一人食うぐらいには稼げるし、もうちょい頑張れば家族だって養える。運が良ければ親の面倒だってみられる。
何も偏差値の高い高校から有名大学、一流企業に入るだけが人生じゃないでしょ。
というのは、私のように人生残り少なくなった人間だから言えることで、現役真っ最中の人たちには伝わらん。
で、話を戻すと。
親としては普通の高校に入れたい。
そんなにレベルの高い学校じゃなくてもいいけど、とにかく普通の学校。
本人もそれでいいと言っている。
この普通という言葉が引っかかるが、偏差値で言えば50かそれ以下でも、ということかな。
にしても学力試験で4割か5割の点数を取らなきゃならんだろう。
出来る子にとっては何でもない数字だが、出来ない子にとっては、それなりに高いハードルだ。
問題集やった方がいいでしょうか?
そりゃあ、やった方がいいに決まっている。
大学行かないにしたって、資格試験だ何だと、これからも試験はある。
で、世の中のあらゆる試験は範囲というのがあって、おまけにパターンが決まっている。
何がどう出るか分からないというのは、初めて実施される試験くらいだろう。
それにしたって、類似の試験などから大方の予想は出来る。
やっぱり過去問をやった方がいいでしょうか?
いや、今その話、したつもりなんだけど。
多分、何も見ず、人の助けを借りず、時間を決めてやったら、2割か3割しか出来ないと思うけど、まずそこ確認する。
自分の立ってる位置を知るのが第一歩。
まあ、お母さんがダイエット始めるとして、まず体重計乗って現状把握するでしょう。それと同じ。
あの、それってセクハラだと思いますけど。
比喩とか例えにいちいち突っ込み入れて来るんじゃないよ。
で、先に進めるが、出来ない子は教科書や参考書も見ていいことにする。
時間無制限なら別だが、多分それでも100点取れない。
良くて70点、まあ40点、50点がいいところ。
嘘だと思うなら、試してごらん。
70、80点の子なら90、100まで行く可能性はあるけど、20、30の子には無理。
出来る子は、この言葉あそこにあったと勘が働いて、すぐに目当てのページにたどり着く。
でも、出来ない子は、そもそもどこを見ればいいかが分からないから、あっちをうろうろ、こっちをきょろきょろ。
そうこうするうちに時間切れ。
だから、20、30の子は、40、50までしか到達できない。
でもまあ、調べりゃ分かるということには気づく。
世の中のことは、大抵は調べりゃ分かるし、聞けば分かるのである。
勉強って、結局そのことなんだ。
考えてる暇あったら調べろ。
何なら人に聞け。
考えるという作業は、そうだな、そこから10㎞ぐらい先にあるんじゃないかな。
というわけなので、「考えなさい」の前に「調べなさい」と言う。
調べ方分かんないというなら、そこは教えてやってもいい。
実は学校や塾の先生は、このこと分かっているから、無闇に「考えなさい」とは言わない。
日常生活の中でも、何か分かんないことがあったら、「じゃあ、調べてみよう」と一緒にやってみたらいい。
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