2022年度入試(令和4年度入試)に関して、第2回進路希望調査(令和3年12月15日現在)の結果から最終倍率を予測するという試みだ。
 本日は学校選択問題実施校の最終倍率予想である。
 なお、今回最終倍率としているのは、出願時の倍率(志願先変更前の倍率)である
 
 ちなみに、今後県は数回にわたり倍率を発表する。
 1 最初の出願時の倍率
 2 志願先変更後の倍率
 3 学力検査当日の倍率
 4 合格発表日の倍率
 5 最終報告の倍率(4月)
 
 4と5は事後的な倍率であり、今の受験生にはあまり関係はないだろう。2から3にかけての変化はきわめて少ないので、3もあまり気にしなくていいだろう。受験生の関心が高いのは、志願先変更するかどうかの判断にも影響する1の倍率ではないかと思う。

 では、学校ごとに見て行く。 
 東西南北の順である。
 複数学科(理数や外国語)を擁する学校もあるが、今回は普通科だけを対象とした。

【東部地区】
春日部
 倍率は左側が「12月15日現在」、右側が「出願時」である(以下同じ)。
28年度 1.28→1.41
29年度 1.17→1.43
30年度 1.15→1.37
31年度 1.16→1.36
02年度 1.16→1.34
03年度 0.99→1.28
04年度 1.05→?
 繰り返し述べているように、第2回調査から実際の出願にかけて倍率が上昇する要因の一つに、隣接県協定に基づく県外受験生の出願がある。
 過去の例から間違いなく上昇するだろうが、年々倍率が低下しているので1.20~1.25倍程度にとどまる可能性もある。

越ヶ谷
28年度 1.69→1.47
29年度 1.88→1.47
30年度 2.14→1.78
31年度 2.02→1.56
02年度 1.78→1.38
03年度 1.72→1.38
04年度 1.61→? 
 第2回調査で例年より倍率が低かったのは定員増があったためで、志願者の実数は前年と変わっていない。
 実際の出願に向けて下がり幅の大きい学校なので、1.40倍前後まで下がる可能性が高い。
 
越谷北
28年度 1.39→1.30
29年度 1.60→1.38
30年度 1.60→1.36
31年度 1.22→1.06
02年度 1.10→1.07
03年度 1.46→1.34
04年度 1.58→?
 2年間低迷したが昨年から上昇に転じた。
 過去、実際の出願に向けて上がったケースはないので、今年も下がるだろう。昨年よりやや高い1.58倍からのスタートなので、1.35~1.40倍あたりだろうか。 

不動岡
28年度 1.50→1.34
29年度 1.60→1.50
30年度 1.40→1.33
31年度 1.44→1.33
02年度 1.33→1.23
03年度 1.36→1.33
04年度 1.20→?
 希望調査時点の倍率はここ7年間で最低である。ただ、外国語科の募集停止に伴い普通科の定員を320人から360人に増やしているので、その影響もある。仮に定員320人として計算すると1.35倍となり、例年並みとなる。昨年までの外国語科志願者層を普通科に取り込めていないということだろう。
 過去、実際の出願に向けて上がったことはないが、今年はやや上がることも考えられる。その場合でも上限は1.30倍までだろう。

【西部地区】
川越
28年度 1.52→1.53
29年度 1.34→1.27
30年度 1.33→1.28
31年度 1.45→1.40
02年度 1.45→1.46
03年度 1.40→1.37
04年度 1.46→? 
 第2回調査から実際の出願にかけての変動が少ない学校である。
 調査時点の1.46倍からどこまで下がるかということだが、過去の例から、1.35~1.40倍と見るのが妥当だろう。

川越女子
28年度 1.62→1.61
29年度 1.41→1.37
30年度 1.37→1.38
31年度 1.54→1.49
02年度 1.40→1.39
03年度 1.35→1.30
04年度 1.34→?
 ここも川越同様、第2回調査から実際の出願にかけての変動は少ない学校である。
 過去の例から、ほぼ現状維持の1.35倍前後だろう。

川越南
28年度 2.04→1.61
29年度 1.78→1.55
30年度 1.78→1.52
31年度 1.69→1.44
02年度 1.68→1.31
03年度 1.99→1.77
04年度 1.76→?
 過去、実際の出願に向けて上がったケースはない。
 今年も下がるパターンとみて間違いないが、問題はどこまで下がるかだ。高くて1.50倍前後、低ければ1.30倍前後と、予想が難しい学校だ。

所沢
28年度 1.40→1.29
29年度 1.43→1.37
30年度 1.59→1.51
31年度 1.61→1.49
02年度 1.42→1.24
03年度 1.23→1.22
04年度 1.44→?
 昨年は希望調査時点で1.23倍と、この学校としては低めだったので1.20倍台の後半あたりまで上がる可能性ありと予想したが、ほぼ変化がなかった。
 過去、実際の出願に向けて上がったケースはなく、今年も1.30倍台までは下がって来るだろう。

所沢北
28年度 1.66→1.41
29年度 1.96→1.66
30年度 1.95→1.60
31年度 1.81→1.55
02年度 1.28→1.11
03年度 1.59→1.43
04年度 1.64→?
 過去、実際の出願に向けて上がったケースはない。
 今年も下がるパターンで、1.50~1.55倍と見られるが、昨年のように1.40倍台まで下がる可能性もある。

和光国際
28年度 1.82→1.66
29年度 1.59→1.31
30年度 1.34→1.31
31年度 1.42→1.24
02年度 1.65→1.39
03年度 1.29→1.13
04年度 1.61→?
 過去、実際の出願に向けて上がったケースはない。
 昨年は1.29倍と、この学校としては低めのスタートだったので1.30倍台まで上がると予想したが、さらに下がり1.13倍となった。今年は高めのスタートなので1.40倍台まで下がるのではないか。1.30倍台まで下がる可能性もある。

【南部地区】
浦和
28年度 1.38→1.35 
29年度 1.51→1.39
30年度 1.54→1.41
31年度 1.51→1.44
02年度 1.54→1.53
03年度 1.30→1.43
04年度 1.37→?
 第2回調査から実際の出願にかけての変動は少ない学校である。昨年以外は下がるパターンだが、それほど大きく下がることはない。
 今年は昨年同様1.30倍台からのスタートなので、1.40倍台まで上がって来る可能性がある。下がる可能性もないとは言えないが、大きく下がることはないだろう。 

浦和一女
28年度 1.33→1.41
29年度 1.51→1.51
30年度 1.26→1.25
31年度 1.21→1.35
02年度 1.40→1.39
03年度 1.41→1.46
04年度 1.38→?
 第2回調査から実際の出願にかけての変動は少ない学校である。
 上がる可能性と下がる可能性は五分五分だ。いずれにしても±0.05前後の動きとなるだろう。

大宮
28年度 1.99→1.65
29年度 1.84→1.58
30年度 1.81→1.52
31年度 1.66→1.39
02年度 1.56→1.36
03年度 1.76→1.57
04年度 1.71→?
 過去、実際の出願に向けて上がったことはない。下がり幅は比較的大きく、マイナス0.2~0.3といったところだ。
 昨年をやや下回る1.71倍からのスタートなので、1.55~1.60倍あたりではないかと考えられる。。
 
浦和西
28年度 1.87→1.69
29年度 1.91→1.79
30年度 2.07→1.61
31年度 2.11→1.68
02年度 1.96→1.56
03年度 1.78→1.40
04年度 1.91→?
 過去、実際の出願に向けて上がったことはない。ここ数年は下がり幅が大きい傾向が見られるので、1.50~1.60倍あたりまで下がる可能性が高い。
 
川口北
28年度 1.53→1.46
29年度 1.37→1.32
30年度 1.43→1.46
31年度 1.08→1.29
02年度 1.37→1.41
03年度 0.89→1.00
04年度 1.04→? 
 以前は実際の出願に向けて下がるパターンだったが、ここ4年間は実際の出願に向けて上がるパターンに転じている。
 昨年は定員割れ状態からのスタートで、何とか1.00倍に届いたという状況だった。今年はやや高い1.04倍からのスタートだが1.10倍を超えるかどうかというところだろう。


28年度 2.16→1.63
29年度 2.02→1.49
30年度 1.40→1.10
31年度 1.72→1.47
02年度 1.79→1.53
03年度 1.63→1.35
04年度 1.53→?
 過去、実際の出願に向けて上がったことはない。かつては希望調査時点で2倍超えもあったが、最近はそこまでの高倍率ではなくなっている。
 今年も低めの1.53倍からのスタートなので、昨年同様1.30倍台まで下がる可能性が高い。 

市立浦和
28年度 2.59→2.03
29年度 1.51→1.14
30年度 1.74→1.36
31年度 2.50→1.91
02年度 2.13→1.59
03年度 2.29→1.99
04年度 2.80→?
 過去、実際の出願に向けて上がったことはない。
 下がるのは確実だが、2.80倍という高倍率からなので、どこまで下がるか。出願の段階でも2倍を維持している可能性もある。
 
川口市立
30年度 2.19→1.61
31年度 2.37→1.56
02年度 1.86→1.20
03年度 2.42→1.81
04年度 2.53→?
 市立3校が統合され「新・川口市立」となってから4回の入試を経験した。ここまでは、実際の出願に向け、大きく下がる傾向を見せている。希望調査時点では2.53倍と過去最高なので、実際の出願では2倍を割ったとしても、1.60~1.70倍の高倍率を維持しそうだ。

大宮北
31年度 1.18→1.00
02年度 1.78→1.41
03年度 1.70→1.35
04年度 1.43→?
 正確な記録が残っていなかったので過去3年分データで見る。
 希望調査時点では、この学校としては低い1.43倍だった。今回入試(令和4年度入試)から学校選択問題実施校となったので、その影響だろう。
 ほぼ現状維持の可能性が高く、上がるにしても下がるにしても大きな変化はないだろう。
 
【北部地区】
熊谷
28年度 1.29→1.32
29年度 1.04→1.19
30年度 1.21→1.27
31年度 1.21→1.25
02年度 1.05→1.07
03年度 0.93→1.00
04年度 1.00→?
 過去、実際の出願に向けて下がったことはない。
 今年も上がると見られるが、大幅増とはならないだろう。

熊谷女子
28年度 1.22→1.32
29年度 1.12→1.24
30年度 1.16→1.29
31年度 1.08→1.16
02年度 1.22→1.19
03年度 0.99→1.13
04年度 1.07→?
 実際の出願に向けて上がるケースが多い。
 今年も1.07倍という低いスタートなので、やや上がると見られる。ただ、上がったとしても1.10倍台にとどまりそうだ。
 
熊谷西
28年度 1.50→1.22
29年度 1.49→1.17
30年度 1.45→1.13
31年度 1.13→1.01
02年度 1.46→1.28
03年度 1.55→1.13
04年度 1.32→?
 過去、実際の出願に向けて上がったことはない。
 昨年は定員増があったが今年は元に戻った。調査時点での倍率低下はその影響だろう。ほぼ現状維持とも考えられるが、1.20倍以下まで下がる可能性の方が高いだろう。

 以上、過去6年間データに基づく実際の出願時(志望校変更前)の倍率予測である。
 毎年やっているが、予想が大きくはずれたことも多い。参考程度に見てもらえればと思う。