明日(3月4日)、埼玉県公立入試合格発表(入学許可候補者発表)。
 かれこれ20年、発表の日は必ずどこかの高校に出かけている。
 主な目的は写真撮影だ。
 新聞やネットの記事には、やはり写真が欲しい。

 もう一つの理由は、現場の空気に触れることだ。
 われわれのような立場の人間は、学校に行く機会が限られ、直に生徒を見ることも少ない。
 それでも何とか仕事はやっていけるのだが、やはり現場の空気を肌で感じたい。

 業界ではよく知られた言葉に「コタツ記事」というのがある。
 コタツに入ったまま書ける記事、すなわち、直接本人に聞いたり、現場を訪ねたりしなくても書ける記事といった意味である。

 テレビのバラエティー番組を見ただけで書いた記事。
 YouTube動画を見ただけで書いた記事。
 他の新聞や雑誌の記事を読んだだけで書いた記事。
 SNSからネタを拾って書いた記事。
 こういうのが「コタツ記事」だ。
 取材に行かないので時間も経費もかからない。
 だから、量産できる。

 近年ネットの発達が著しく、元記事、元ネタ、元データが簡単に手に入る。
 むろん私などもその恩恵を大いに受けている一人だ。
 このブログにしても、ネットニュースの力を借りなければ毎日書き続けることはできないだろう。

 だが、そういう時代であるからこそ取材を重視しなければならない。
 会って直接話を聞かなければならない。
 自分の目で現場を確かめなければならない。
 そう思い、老体に鞭打つのである。

 明日は所沢北高校に行く予定だ。
 学校掲示より1時間早くネット発表があるので、それを見てからという人が多いだろう。

 今か今かと待ちかね、貼りだされるや否や掲示板に殺到し、少し間をおいて、あちらこちらで歓声が沸く。
 こんな発表風景は、今や過去のものだ。
 おそらく、ネットで合格を確認した人だけがやってきて記念写真を撮り、書類を受け取って帰る。
 こんな感じだろう。
 が、それはそれで、「発表風景も様変わり」というニュースになる。

 いずれ公立もネット出願となるだろう。
 結果も学校掲示無しのネット発表のみとなるだろう。
 そして入学手続きもネット上で完了。
 私立はとうにそうなっている。
 制服の採寸なんかも、おうちでネット採寸になるのに、それほど多くの時間はかからないだろう。

 そんなご時世であるから、合格発表現地取材もあと何回できるかという話だ。

◆ご報告
 昨日のブログが何故か配信されていなかった。
 読者の中には、「オヤッ?」と思われた方もいるかもしれない。
 夕方外出予定があったので、午後3時ごろ書き終え、6時ごろ公開になるように予約投稿のシステムを使ったのだが、これが正常に機能しなかった。