新聞取材のアポとりでいくつかの公立高校に電話した。
 今回の取材は「よみうり進学メディア」に関するものだ。

 私立学校の場合、募集・広報担当につないでもらう。
 面識があるときは、ダイレクトに校長、教頭というケースもある。

 公立学校の場合、募集・広報担当がいないことが多い。
 そういう部署がないのだ。
 「募集・広報担当の方をお願いします」と言うと、教務主任あたりが電話に出る。
 一番無難なのが教頭につないでもらうことだ。

 とりあえず学校内部のことは全部掌握しているのが教頭。
 その分、死ぬほど忙しいのが教頭。
 が、仕事が多く、責任が重い割には決定権がない。
 そこが辛いところだと想像するが、経験がないのでよく分からない。

◆知名度の低さに愕然
 さて、そんな中。
 電話口に出た教頭に用件を切り出す。

 その際、まず「よみうり進学メディア」という媒体がどういうものかを説明しなければならない。
 埼玉のほか、東京・神奈川・千葉でも発行している。
 原則月1回発行のタブロイド紙
 (タブロイド判というのは、読売・朝日のような一般紙=ブランケット判の半分の大きさ)
 中身は受験情報、学校紹介など。
 対象は首都圏の中学2年、3年生。
 公立中学校を通じて無料配布。

 ざっとこんな感じの説明になる。

 今回電話した4校で、「ああ、知っています」と言ってくれた人はゼロ。
 創刊20年になるんだが、知名度なんてそんなもの。

 中には、実物を送ってくれないと答えられないという人も。
 実は今回の取材に当たっては、埼玉県教委にお願いして候補校を推薦してもらった。
 そのことも言い添えたのだが、「県教委に確かめてみる」とまで言われた例もあった。
 疑われているわけだ。

 まあ、私の言い方と言うか、電話口の態度にも問題はあると思う。
 デカい態度は改めなければならない。

◆私立の対応の早さ
 私立の場合、この新聞に広告を出してくれているケースが多い。
 そのため媒体の説明は必要ないか、最小限で済む。

 ターゲットである中学生に直接届く媒体であるから、生徒募集における宣伝効果が高いのはすぐ分かる。
 しかも、純粋な記事として載せるわけだから広告と違って無料だ。
 よって、ほとんどの場合は教頭や募集責任者の段階で即決。
 一応校長にも伝えるという対応もありだが、すぐに折り返しの回答がある。

 が、これが公立となると、取材を受けるかどうかを検討するというところから始まる。
 昨年はどこの学校もスムーズに決まり、大いに歓迎されたんだが、今年は運が悪いのか。

◆出発点は「知られていない」
 これはつい最近も書いたことだが、自分が思っているほどには他人に知られていない。
 常にこれを出発点にしなければならない。

 みんな知っている。
 名前ぐらいは知られているはず。

 事実としてその通りであればいいが、そうではない場合、初っ端から間違っていることになる。
 それでは、何をやってもうまく行かない。

 みんなが知っているなら、もしかしたら知らない人もいるかもしれない。
 名前ぐらいは聞いているかもしれないなら、名前すら聞いたことがない人もいるかもしれない。
 という具合に、ワンランク下げた認識からスタートするくらいでちょうどいいのかもしれない。

 いろいろ勉強になるね。