さいたま市民以外にとって、どうでもいいニュースがこれ。
「さいたま市役所の移転決定 浦和からさいたま新都心へ…2031年度をめど、新庁舎の移転整備を目指す」(埼玉新聞4月30日)
 私は、勤めの方では、教員時代は川口と大宮、サラリーマン時代は都内というのはあったが、住まいの方は小学校4年生以来ずっと浦和。学校も中学、高校までは旧浦和市内だから、浦和には愛着がある。
 おそらくこの先も浦和に住み、浦和で仕事し、浦和で生涯を終え、浦和の墓に入る。
 が、そんな浦和愛に溢れた私でも、市役所の場所なんて、どっちでもいい。

 新庁舎は、駅で言うと「さいたま新都心」になるが、住所はどうやら大宮区になるらしく、そこが気に入らないという浦和住民がいるらしい。
 いや別にいいじゃないか。
 大抵のことは区役所や市民の窓口で間に合うし、行政手続きもどんどんオンライン化している時代だ。建物としての市役所がどこにあろうが普通の市民にとってはどうでもいい話だ。

 浦和が寂れる。
 そんな馬鹿な。

 若い人は知らないと思うが、その昔東京都庁は丸の内にあったんだよ。
 それが新宿に移転した。
 以前、淀橋浄水場があった所に引っ越したんだ。
 淀橋は「ヨドバシ」って読むんだ。この地で創業したのが「ヨドバシカメラ」ってことだ。

 で、都庁移転後の丸の内、有楽町界隈が寂れたかというと、まったくそんなことはなく、旧都庁舎の一部は、今は東京国際フォーラムになっている。

 市役所なんて、さっさと他の場所に移して、跡地の再開発を急いだほうがいい。あと、西口駅前の再開発。
 やることいっぱいあるのに、20年もの間、浦和だ大宮だと大騒ぎして、まったくアホじゃないかと思う。

 さて、文句はここまでにして、私の専門領域である高校に関して、浦和と大宮をちょっとばかり比較してみようと思う。
 さいたま市には、旧浦和、旧大宮のほか、旧与野、旧岩槻もあるわけだが、ここでは浦和と大宮にしぼる。

【浦和の公立高校】
 浦和・浦和一女・浦和西・浦和北・浦和東・浦和工業・浦和商業(以上県立)、市立浦和・浦和南(以上市立)

 まあ文句なしのラインナップというところか。浦和の名は冠していないが、看護系の常盤も浦和だ。

 浦和と浦和一女は明治時代創立。浦和西・市立浦和・浦和商業は戦前からの学校ということで、いわゆる伝統校が揃っている。

 最近はパッとしないが、全国高校サッカー選手権で全国優勝を経験している学校が、浦和・浦和西・市立浦和・浦和南と4校もあるのが浦和住民の自慢の一つだ。野球では市立浦和が夏の甲子園で一度だけベスト4に進出したくらいで、あまり強くなく、野球をやりたい子は私立に向かう。

【大宮の公立高校】
 大宮・大宮東・大宮南・大宮武蔵野・大宮光陵・大宮工業・大宮商業(以上県立)、大宮北(以上市立)。

 この他に、通信制・定時制の大宮中央(県立)と、中等教育学校の大宮国際(市立)がある。
 戦前からの学校は、大宮工業(大正14)、大宮(昭和2)、大宮商業(昭和19)の3校のみだ。

 野球では、大宮工業に選抜優勝経験がある。大宮東も準優勝という実績がある。大宮は春の選抜に2回、夏の選手権に5回出場している。今でこそ大学進学で鳴らしている大宮だが、その昔、私が高校生の頃は大宮は野球の強い学校として名が知られていた。

【浦和の私立学校】
 浦和明の星女子・浦和学院・浦和実業・浦和ルーテル学院・浦和麗明。

 全国的知名度は野球の浦和学院。大学進学は完全中高一貫の浦和明の星女子が断然いい。

【大宮の私立学校】
 大宮開成・埼玉栄・栄東。

 大宮の名は冠していないが、埼玉栄は西大宮、栄東は東大宮にある学校なので大宮扱い。
 数は浦和より少ないが、大学進学では栄東と大宮開成が浦和勢を圧倒している。埼玉栄は野球・サッカーなどはそれほど実績を残していないが、体操や水泳、陸上などでオリンピック選手を多数輩出している。大相撲も上位は埼玉栄出身者だらけだ。

 大学進学で学校を選ぶとなると、大宮の方は、公立では大宮高校が孤軍奮闘という感じで、後に続く学校がないのが残念なところだ。大宮北あたりにもう少し頑張ってもらいたいところだ。ただ、その分私立では栄東・大宮開成・埼玉栄となかなかの充実ぶりだ。一方、浦和の私立は、公立に押され、浦和明の星女子を除いては進学面で名声を確立するに至っていない。