本日は取材のため共栄大学教育学部(春日部市)を訪ねた。
 校名から分かるように春日部共栄中学高校の関連校である。
 当初、国際経営学部のみだったが、その後、小学校教員を養成する教育学部を開設した。
 昨年の小学校教員採用試験では合格率66.3%を記録し、全国平均37.3%を大きく上回っている。

 教授と学生一人(教育学部4年生男子)にインタビューした。
 学生は現在、「埼玉県教員養成セミナー」を受講中とのことだ。

 どんなものか事前にネットで調べてみようと思ったが見つからない。
 どうやら名称や内容が変更となり、今年度からは新規事業として展開されるようだ。
 「彩の国かがやき教師塾について」」
 「彩の国かがやき教師塾」案内チラシ表面(埼玉大学HPより)
 「彩の国かがやき教師塾」案内チラシ裏面(埼玉大学HPより)

 この事業は、「大学生に教員という職業の魅力を伝え、教員志願者を増やす取組や教員志願者の質の確保を図る取組を展開」(県HPより)するものである。
 令和5年度埼玉県公立学校教員採用選考試験志願状況を見ると、
 この中に特別選考があり、経験者特別選考、社会人特別選考などと並び「埼玉教員養成セミナー特別選考」という枠がある。
 特別選考という以上、セミナー受講者には何らかの優遇措置が取られるのだろう。

 ただし、このセミナー(今後は「かがやき教師塾」)は、誰でも受講できるというわけではなく、埼玉県と連携している大学や教職課程を有する大学の在学生であり、かつその大学から推薦を受けた学生でなければならない。
 埼玉県と提携を結んでいる大学については、次のような記事がある。
 教員養成大学との連携(埼玉県HPより)
 提携大学の学生だけでは不足だろうから、教職課程をもつ大学の学生にも門戸を開いていると思われる。

 今日取材に応じてくれた学生は、セミナーの一環で、県から指定された公立小学校に毎週のように通っているという。
 教育実習の時は、お客様的な扱いを受けていると感じる場面もあったが、今は戦力として「あてにされている」と感じるそうだ。
 採用試験を受け、合格すれば必ず就職し、自分たちの同僚となる学生であるから、先生方も一段と厳しく、また親身になって指導してくれるという。

 なお、上記の事業は埼玉県教育委員会が行っているものである。
 政令指定都市である「さいたま市」は、別個に同趣旨の事業を行っている。
 さいたま市教師塾「夢」講座

 私は元教員と言っても高校畑なので、義務教育関係には疎い。
 こうした取り組みが行われていることは、今回の取材を通じて初めて知った。
 採用試験受験者減少を食い止める決定打というわけには行かないかもしれないが、質の担保という意味では効果のありそうな取り組みだと感じた。