教員研修制度に関わるニュース。
 「教員の新たな研修制度案、校長が受講を指導助言…問題ある教員への対応策も盛る」(読売新聞オンライン 6月27日)
 
 ざっくりとした記事まとめ。
 ●教員免許更新制が7月に廃止される。
 ●これにより教員免許は無期限となる。
 ●講習がなくなり教員の質の低下が懸念される。
 ●そこで文科省は新たな研修制度の具体案をまとめた。
 ●文科省は研修履歴記録システムを2023年度中に稼働させる。
 ●校長らは教員の研修履歴を活用し、面談で受講すべき研修を指導助言する。
 ●理由なく受講しないなど問題のある教員には職務命令を出し、場合によっては懲戒処分とする。
 ●今後、パブリックコメントを経て、今夏に新制度を決定する予定。

 文部科学省が出している法改正のまとめについては、コチラがまあまあ分かりやすいかも。
 「教育公務員特例法及び教育職員免許法の一部を改正する法律の概要」

 悪名高き教員免許更新制度はなくなるが、研修制度は残す。
 要はそういうことだ。

 そもそも更新制がなぜ不評だったか。
 手続きの煩雑さはともかくとして、
 クソ忙しい最中に、
 さして意味があると思えない研修を、
 自腹を切って受けなければならない、
 という点にあった。

 更新が面倒というより、研修が不評だったのだ。
 だが、それは残す。
 しかも、管理は強化する。

 結局、文科省の思惑どおり。
 当初の狙いどおり。
 研修に名を借りた管理強化が本来の目的であったが、更新制と絡めたのが失敗だった。
 そこで今度は、不評の更新制を廃止するのと引き換えという形で、本来の狙いを通そうとしている。
 と、私は見ているのである。

◆校内研修も履歴対象
 下記資料を読むと、さらに具体的なことが分かる。
 A4サイズ20ページ。 
 「研修履歴を活用した対話に基づく 受講奨励に関するガイドライン(仮称)案)」
 これによると、校内研修なども一定の要件を満たせば、研修履歴として残せるようだ。

 また、資料にはこのような記述もある。
 研修を受けているとは認められないケースについてだ。

 「勤務上の支障がないにもかかわらず、必要な校内研修に参加しない場合」
 「合理的な理由なく研究授業や授業公開における授業者としての参加を拒絶する場合」
 「校内研修に形式的に参加するものの実際には他の業務を行うといった実質的に研修に参加しているとは言えない場合」
 これらが繰り返されたり、常態化しているときは、「職務命令を通じて適切な研修受講を命じることが考えられる」としている。

 研修サボるヤツ、結構いるんだよ。
 それと、自分の授業見せようとしないヤツ。
 今は、どんどん見に来て下さいという先生が多いみたいだが、昔は、校長が見に行こうとすると内側からカギかけちゃうヤツもいた。
 教職員研修会などに招かれて行くと、生徒の答案だかレポートだかをこれ見よがしにドサッと机の上に広げるヤツもいたな。
 研修参加でポイントが付くようになるみたいだから、こういうのは減るかもしれない。