2023埼玉県公立入試の志願者数と倍率について、「あと1日残っているから、まだ分からない」と言っている人へ。
 たしかにその通り。
 出願は13日(月)の朝9時からお昼の12時間まで、3時間残っている。

 が、たった3時間で何が変わるというのだ。
 何にも変らんよ。

 志願先変更をする人は、1日目の数字で判断し、一刻も早く行動を起こすべきだ。

 倍率に関わらず受けると決めた学校を受けるのだという人は、この先の数字などチラッと見ておけば十分だ。
 倍率が1.2倍のときと、1.5倍のときとで、戦い方に何か違いでもあるか。
 同じことだろう。
 持てる力をすべて答案用紙にぶつける。
 ただそれだけだ。

 が、それでもなお、残り3時間が気になる人のために、数字を示しておこう。
 前年、2022年度入試・全日制普通科で、2日目に何人増えたかを調べた。

●変動がなかった学校 46校(コース含む。以下同じ)
●1人増えた学校    38校
●2人増えた学校    13校                    
●3人増えた学校    4校
●4人増えた学校    3校
●5人増えた学校    1校
●7人増えた学校    1校

 1校だけマイナス1人の学校があったが、集計上の手違いがあったのだろう。
 また、松山女子41人増、所沢25人増、坂戸12人増など異常な数字があったが、学校側がどの時点までの数字を発表するかを勘違いし、1日目の午後の数字を2日目に回してしまったためだ。
 実際に2日目に出願した人は100人に満たないと推定される。専門学科で22人、総合学科で5人が2日目に出願しているので、これを合わせても130人程度だ。これで倍率が変動するはずがない。

 ということだから、2日目の発表を待たず、1日目の数字を志願先変更の参考にしてよろしい。

◆志願先変更でどう動く
 さて、そうなると、気になるのは志願先変更の動向である。
 受験生はここでどう動くのか。

 こちらは最初の出願ほど単純ではない。
 受験生はまず、元々出願した学校に出向いて変更届を出す。引き換えに変更証明書をもらい、新たに出願する学校に行き、あらためて願書を提出する。
 志願先変更期間は2日間あるが、1日目と2日目では倍率にかなりの違いが出るケースもある。1日目に上がり2日目に下がる、逆に1日目に下がり2日目に上がるなど、さまざまだ。
 中には1日目の様子を見て最終決断を下すという人もいるようだが、予測は不可能だ。
 もっとも、昔と違って志願先変更は1回限りなので、1日目も2日目もない。出て来た数字を受け入れて、あとは数日後に迫った学力検査に全力を尽くすのみだ。

◆定員割れ校は、定員割れのまま
 いま現在、志願している学校が1.00倍以下である場合、受験生は「このまま上がらないでくれ」と願うだろう。
 だが、学校としては欠員補充をしなければならないし、イメージも下がるから、少しでも上がって欲しいと思うだろう。
 両者の思惑は相反するものになる。

 これに関して結論を言っておくと、いま現在、定員割れ状態である学校は、志願先変更後も定員割れである可能性がきわめて高い。
 前年(2022年度入試)の例を見ると、普通科では出願時において定員割れだった学校が38校(コース含む)あったが、志願先変更で1.00倍を超えて定員割れを解消したのは4校だった。専門学科では出願時74学科が定員割れだったが、志願先変更で解消されたのは4学科だった。

◆高倍率校はやや低下
 1.50倍以上の高倍率校はやや低下するだろう。
 しかし、劇的に下がることはない。数字にして0.1~0.2ポイント。まあ気休め程度だ。
 
 1.30~1.40倍の学校も下がる可能性の方が高い。しかし、これも僅かの低下。
 1.10~1.20倍となると、上がる、下がるの両パターンがあるが、変動幅はそれほど大きくない。

 これらの点については、明日、実際の数字をあげて説明したいと思う。