本日はネット時代の消費者モデルである「AISAS(アイサス)」について勉強してみよう。
 特に新しい言葉ではない。
 2000年代初頭に株式会社電通が提唱したものである。

 消費者行動モデルとして有名なのは「AIDMA(アイドマ」である。
 Attention(認知)
 Interest(興味)
 Desire(欲求)
 Memory(記憶)
 Action(行動)
 以上の頭文字をとって「AIDMA(アイドマ」。

 これはインターネットが普及するはるか以前、1920年代に提唱されたものである。
 しかし、時代は変わり、われわれの生活にネットが欠かせなくなった。買物もECサイトで済ませることが当たり前になった。
 こうなると従来型のモデルでは消費者行動を読み切れず、販売戦略も立てにくくなった。
 そこで、「AIDMA(アイドマ」をベースにしつつ、ネット時代に対応したモデルとして提唱されたのが「AISAS(アイサス)」である。

 「AISAS(アイサス)」は次のようなモデルとなる。
 Attention(認知)
 Interest(興味)
 Search(検索)
 Action(行動)
 Share(共有)

 Attention(認知)、Interest(興味)、Action(行動)は共通である。
 違いは、Action(行動)の前にSearch(検索)があり、その後にShere(共有)があるところだ。

 これは皆さんにも覚えがあるだろう。
 商品やサービスを知り、興味を持っても直ちに購入に至るのではなく、ネットでの情報収集に走る。
 詳細情報はどうなっているのか、口コミはどうなのか。
 これはネット社会以前ではほとんでできなかったことだ。

 さらに購入したり体験したりした後に、ブログやSNSで意見や感想などを発信する。これが共有である。

 以上は、主に衣料や食品など日用品の購入や旅行先や宿泊先の選定など身近な消費行動を念頭に置いているので、学校選択や受験にはそのまま当てはまらないという考えもあるが、受験生・保護者は学校の知らないところで、学校が想像する以上にSearch(検索)し、Share(共有)しているのは間違いないだろう。

 私が、ホームページの内容や更新頻度、動画配信、SNS配信などにこだわるのは、こうした受験生・保護者の行動パターンの変容を強く意識しているからだ。

 今のところ、Search(検索)やShare(共有)にまで考えが及んでいる学校は少ないように思う。
 進んでいる学校を見ても、せいぜいが縄文・弥生から古墳時代といったところだ。なので石器時代にとどまっているような学校との差が、それほど明確にはならない。
 しかし、時代の変化に気づいたが学校が一気にペースを上げれば、それに追随する学校が続々と現れ、昔ながらのやり方にこだわっている学校との差は、あっという間に拡大するだろう。

 (なお、近年では「AISAS」の進化版である「DUAL AISAS」が叫ばれているが今回は触れなかった)