本日取り上げるニュースは、少し古いがコチラ。

 埼玉への“移住相談”過去最多を更新 市町村別で相談多かった街は3位が飯能市、2位は秩父市、気になる1位は(埼玉新聞 11月18日)

 「気になる1位は」って、まあこの手の見出しが多いこと。
 とにかく記事本文に誘導したいわけだ。
 
 私の場合、移住することはないので気にはならないが、答えは記事本文を見ずとも分かった。
 答えは小川町である。
 県南部や県東部の方に馴染みが無いと思うが、東武東上線沿線の街である。
 和光・朝霞・志木から川越を経て、坂戸・東松山・森林公園、そして小川町。
 さらに進めば寄居。

◆急速に高齢化が進む町
 私の住む浦和からだと武蔵野線利用で「北朝霞」。そこで東武東上線乗り換えて「小川町」までは約1時間半といったところか。
 「小川町駅」は八高線も通っているが、埼玉県民でも乗ったことがない人が大半だろう。
 八王子から高崎までで八高線だが、今の若い子なら渋谷にでも行けるのかと勘違いしそう。

 小川町は人口27.891人の小さな町だ。
 「和紙のふるさと 小川町」が売りだが、目立った産業はない。
 人口のピークは平成7年から11年ごろにかけてで、そのころは3万8千人ほどいたが、以後減少の一途。

 人口が少ない町は、年齢構成にも特徴がある。
 
 年少人口(0~14歳) 2031人(7.28%)
 生産年齢人口(15~64歳)14.179人(50.84%)
 老人人口(65歳以上)11.681人(41.88%)

 年寄りばかりで子供が少ないのが一目瞭然。
 ちなみに、さいたま市の老人人口割合は23.2%。
 おそらく県内でもっとも割合が低いと思われる戸田市が16.6%。
 県内の主要市はだいたい20%台後半で、30%を超えるとちょっと高いなという感じ。
 小川町はそんな中での41.88%。

 小学校は5校、中学校は3校。
 高校は小川高校のみだが、こんな小さな町に1校あるだけでも有難い。
 ホームに降り立てば学校は目の前という好立地。
 ただし募集は苦戦しており、今回の第1回調査でも0.84倍と定員割れ状態。
 この倍率からなら最終的に1倍超えも可能なので頑張ってもらおう。

◆年寄りが移住しても
 移住がブームなようだ。

 自分もこの年になって実感として分かるようになったが、年寄りには都会暮らしが向いている。
 病院もスーパーもコンビニも、暮らしに必要なものが近くにあったほうがいい。

 では、どういう人が移住を考えるかというと、定年で仕事をリタイアした人。
 あるいは、子供が独立し、時間的にも経済的にもゆとりができた人。

 中には、自然の中で子育てしたいという人もいるかもしれない。
 また、ネットさえ繋がっていれば、どこでも仕事ができるからという人もいるかもしれない。
 だがこれは少数派だろう。

 小川町も小川町移住サポートセンターなどを設け、誘致に励んでいる。
 だが、これにより移住してきた人が50代後半から60代であったとすれば、一時的な人口増加はあったとしても、5年後10年後にはさらに高齢化に拍車をかけるのだ。
 60代ではさすがに出産は見込めない。

 子供や若者の数を少しでも増やしたい。
 そう考えた場合、20代から40代を移住のターゲットとしなければならない。
 年配者がのんびり田舎暮らしをするのは、それはそれで結構なことで、出来れば自分もそうしたいくらいだが、年寄りがいくらやって来ても、町の再生・活性化には大して貢献しない。

 子育て世代、イコール働き盛り世代が移住したい町にするのはどうしたらいいか。
 誰もが分かっていることだが、課題はそこにあるのだ。
 小川町は待機児童ゼロを謳っているが、それはいかに子供が少ないかの証明みたいなものだ。3人目の子供から保育園無料というが、1人目、2人目がいない時代に3人目からなどと言ってどうする。まあ、財政事情が厳しいのは分かるが。

 最後に小ネタを一つ。
 埼玉県民なら誰もが知るヤオコーやしまむらは、その昔、「八百幸」、「島村呉服店」といって、この小川町が創業発祥の地なのだ。