本日は、第2回進路希望調査において1.00倍未満、すなわち定員割れ状態にある学校の最終倍率を予測してみようという試みである。
 
 学校側としては、実際の出願に向けて、少しでも倍率が上がってくれないかと思っているだろう。
 一方受験生は、このまま上がらないで欲しい、できることならもっと下がって欲しいと思っているだろう。

 現状定員割れである学校について、次の数字を調べてみた。
 ●第2回調査の過去5年倍率とその平均
 ●出願確定時の過去5年倍率とその平均
 (出願確定時とは、志願先変更が終わった段階である)
 ●第2回から出願確定時にかけての変化率
 
 では、実際の数字を見てみよう。
 学校名は五十音順である。
 学校名右側の数字は今年第2回希望調査における倍率である。

●上尾鷹の台 0.97倍
 出願確定時の平均倍率は1.04倍。
 第2回から確定まで平均して0.06ポイント低下。
 過去5年間、第2回、確定時共に定員割れがないことから、最終的には1.00倍をわずかに超え、定員割れはないと予想される。

●上尾橘 0.50倍
 出願確定時の平均倍率は0.78倍。
 第2回から確定まで平均して0.20ポイント上昇。
 上がったとしても0.80倍前後までで定員超えは非常に厳しい。

●大宮東 0.91倍
 出願確定時の平均倍率は1.00倍。
 第2回から確定まで平均して0.10ポイント上昇。
 前年(5年度)は第2回0.90倍から確定1.08倍と上がった。今回も0.91倍からなので定員割れは回避する可能性が高い。

●大宮武蔵野 0.75倍
 出願確定時の平均倍率は1.04倍。
 第2回から確定まで平均して0.08ポイント低下。
 0.75倍からの1倍超えはほとんど例がない。
 ただ、昨年確定時に0.97倍だった以外は定員割れはないので、1.00倍を超える可能性も僅かながらある。

●桶川 0.83倍
 出願確定時の平均倍率は0.99倍。
 第2回から確定まで平均して0.06ポイント上昇。
 0.8倍台からの1倍超えはあまり例がない。
 定員を超えるかどうかは微妙なところだ。

●桶川西 0.34倍
 出願確定時の平均倍率は0.94倍。
 第2回から確定まで平均して0.16ポイント上昇。
 第2回の最低は昨年の0.61倍だが、今回それよりさらに低い。
 定員超えは非常に厳しい。

●越生 0.81倍
 出願確定時の平均倍率は0.72倍。
 第2回から確定まで平均して0.12ポイント上昇。
 0.80倍台からの1倍超えは厳しいが、3年度に第2回0.81倍から確定時1.00倍に上昇した例があるので僅かだが定員割れ回避の可能性はある。

●春日部東(普) 0.99倍
 出願確定時の平均倍率は1.13倍。
 第2回から確定まで平均して0.10ポイント上昇。
 過去5年間、確定時において1.00倍を下回ったことがないので、最終的には定員割れは回避すると予想される。
 なお、例年千葉、茨城からの受験生も多い(受験者数は不明だが入学者数は20~25人程度)。第2回は埼玉県内生対象だが、確定時にはこれら県外生の数字が加わる。

●川越西 0.93倍
 出願確定時の平均倍率は1.10倍。
 第2回から確定まで平均して0.10ポイント低下。
 第2回0.9倍台であれば確定1倍を超える可能性は高いが、4年度に第2回0.95倍から確定0.97倍という例があった。
 1倍を超える可能性が高いが、定員割れの可能性も否定できない。

●川越初雁 0.66
 出願確定時の平均倍率は0.91倍。
 第2回から確定まで平均して0.18ポイント上昇。
 昨年(5年度)は第2回0.81倍から確定1.05倍と大きく上昇し、定員割れを回避した。
 今回もその再現を期待したいところだが、0.6倍台からのスタートではやや厳しいか。 

●北本 0.64倍
 出願確定時の平均倍率は0.94倍。
 第2回から確定まで平均して0.16ポイント上昇。
 2年度に第2回0.77倍から確定1.08倍という例があったが、それ以外はすべて定員割れ。
 今回0.64倍からのスタートなので上がったとしても0.8~0.9倍台までと予想される。

●久喜 0.88倍
 出願確定時の平均倍率は1.15倍。
 第2回から確定まで平均して0.13ポイント上昇。
 第2回は3年度の0.99倍に次ぐ低倍率。
 0.8倍台からの定員超えはやや厳しいが、過去5年間、確定での定員割れはないので、最終的には1倍を超える可能性が高い。
 なお、例年茨城、千葉からの受験生も多い(受験者数は不明だが入学者数は15人前後)。第2回は埼玉県内生対象だが、確定時にはこれら県外生の数字が加わる。

●熊谷 0.92倍 
 出願確定時の平均倍率は1.12倍。
 第2回から確定まで平均して0.08ポイント上昇。
 過去5年間、確定時において定員割れはない。
 3年度に第2回0.93倍から確定1.03倍に上昇した例がある。今回、数字的にはそれに近いので、最終的には定員割れを回避する可能性が高い。

●熊谷女子 0.86倍
 出願確定時の平均倍率は1.13倍
 第2回から確定まで平均して0.05ポイント上昇。
 過去5年間、確定時において定員割れはない。
 3年度に第2回0.99倍から確定1.13倍に上昇した例がある。今回、数字的にはやや厳しいが最終的には定員割れを回避すると予想される。
 なお、例年群馬からの受験生もいるが、倍率を大きく動かすほどではないとみられる。

●栗橋北彩 0.58倍
 出願確定時の平均倍率は0.93倍。
 第2回から確定まで平均して0.21ポイント上昇。
 確定時は2年度に1.03倍を記録しているが、それ以外は0.9倍台にとどまっており、定員超えは非常に厳しい。

●鴻巣女子 0.95倍
 出願確定時の平均倍率は0.92倍。
 第2回から確定まで平均して0.04ポイント上昇。
 前年(5年度)のように第2回1.01倍から確定0.95倍と低下するケースもあるので、0.95倍からさらに低下する可能性も否定できない。
 専門学科併設校であり第2志望合格で事後的に定員割れを回避できる可能性もあるが、今回は家政科学科も第2回0.93倍という厳しい状況だ。

●越谷東 0.98倍
 出願確定時の平均倍率は1.06倍。
 第2回から確定まで平均して0.04ポイント上昇。
 過去5年間、確定時において定員割れはなく、定員割れは回避する可能性が高い。
  
●児玉 0.85倍
 統合2年目で過去データが昨年しかない。
 昨年(5年度)は第2回0.58倍から確定0.81倍と上がった。今回は0.85倍からなので、定員を超える可能性も残されている。

●白岡 0.96倍
 出願確定時の平均倍率は0.95倍。
 第2回から確定まで平均して0.04ポイント上昇。
 今回は第2回0.96倍からのスタートなので定員を超える可能性が高い。

●草加西 0.87倍
 出願確定時の平均倍率は1.11倍。
 第2回から確定まで平均して0.14ポイント低下。
 過去5年間、第2回、確定時共に定員割れはない。
 0.8倍台からの1倍超えは厳しいが、過去データからみて定員割れを回避する可能性は高い。

●秩父 0.91倍
 出願確定時の平均倍率は0.94倍。
 第2回から確定まで平均して0.03ポイント上昇。
 第2回から確定までの上昇幅が大きくない学校なので定員を超えるかどうかは微妙なところだ。

●鶴ヶ島清風 0.58倍
 出願確定時の平均倍率は1.03倍。
 第2回から確定まで平均して0.10ポイント上昇。
 昨年(5年度)は第2回0.94倍から確定1.09倍と上がった。
 今年は定員40人増の影響もあり第2回0.58倍の低倍率となっている。
 定員割れ回避にはあと100人増が必要という厳しい状況であり、3年度以来3年ぶりの定員割れの可能性が高い。

●新座 0.83倍
 出願確定時の平均倍率は1.02倍。
 第2回から確定まで平均して0.11ポイント上昇。
 昨年(5年度)は第2回0.86倍から確定1.09倍と急上昇している。その再現が成れば定員割れ回避だが、2年度のように第2回0.95倍から確定0.93倍と下がった年もある。
 定員を超えるかどうかは微妙なところだ。

●新座柳瀬 0.83倍
 出願確定時の平均倍率は1.08倍。
 第2回から確定まで平均して0.03ポイント上昇。
 過去5年間、確定時において定員割れはない。
 第2回0.83倍という厳しい状況からのスタートだが定員割れは回避する可能性が高い。
 
●蓮田松韻 0.56倍
 出願確定時の平均倍率は0.75倍。
 第2回から確定まで平均して0.22ポイント上昇。
 第2回0.5倍台から1倍を超えた例はなく、定員超えは難しい。

●羽生第一 0.77倍
 出願確定時の平均倍率は0.95倍。
 第2回から確定まで平均して0.20ポイント上昇。
 4年度に第2回0.87倍から確定1.04倍というケースがあったが、それよりさらに低い0.77倍からのスタートなので定員割れ回避は難しそうだ。

●飯能 0.85倍
 統合2年目で過去データが昨年しかない。
 昨年(5年度)は第2回0.88倍から確定1.01倍と上がった。
 第2回0.8倍台からの1倍超えは難しいが、昨年に近い数字からのスタートなので定員割れは回避する可能性が高い。

●日高 0.82倍 
 出願確定の平均倍率は1.05倍。
 第2回から確定まで平均して0.02ポイント低下。
 4年度に第2回0.88倍から確定1.03倍というケースがあり定員割れ回避の可能性も残されているが、かなり厳しい。

●日高(情報コース) 0.40倍
 出願確定時の平均倍率は1.19倍。
 第2回から確定まで平均して0.51ポイント上昇。
 定員40人のため倍率の振れ幅が大きくなる。
 直近2年間は第2回0.5倍台から確定時0.9倍台と定員にとどいていないので、上記の普通科同様、定員割れ回避はかなり厳しい。

●深谷 0.86倍
 出願確定時の平均倍率は1.00倍。
 第2回から確定まで平均して0.05ポイント上昇。
 2年度に第2回0.89倍から確定1.01倍というケースがある一方、31年度に第2回0.86倍から確定0.96倍というケースもある。
 定員割れを回避できるかどうか微妙なところだ。

●富士見 0.95倍
 出願確定時の平均倍率は0.96倍
 第2回から確定まで平均して0.30ポイント上昇。
 過去5年間をみると第2回0.7倍であれば確定時に1倍を超えている。
 今回は第2回0.95倍からという過去5年を大きく上回る倍率からのスタートなので定員割れを回避する可能性が高い。

●ふじみ野 0.81倍
 出願確定時の平均倍率は1.00倍。
 第2回から確定まで平均して0.08ポイント低下。
 確定時はぎりぎり1倍を超えるケースが多いが、今年は定員40人増の影響もあり、定員割れを回避できるかどうか微妙なところだ。

●松伏(情報ビジネス) 0.43倍
 出願確定時の平均倍率は0.97倍。
 第2回から確定まで平均して0.14ポイント上昇。
 定員40人のため倍率の振れ幅が大きくなる。
 第2回を見ると、今年は例年になく同校普通科の倍率が高い。よって、普通科からビジネスコースへという流れが起きれば定員割れが回避される可能性が高い。 

●松山 0.88倍
 出願確定時の平均倍率は1.01倍。
 第2回から確定までは上がる年と下がる年があり、上がる年で0.06ポイント、下がる年で0.05ポイント。
 今年は第2回0.88倍からのスタートなので1倍に達しない可能性がある。
 理数科からの流入も考えられるが、40人募集に対し希望者47人で1.18倍と理数科7校中最低倍率なので、多くは期待できない。  

●松山女子 0.98倍
 出願確定時の平均倍率は1.11倍。
 第2回から確定まで平均して0.04ポイント上昇。
 3年度に第2回0.92倍から確定時0.97倍というケースがあったので安心できないが、実人数であと5人不足しているだけなので定員割れは回避される可能性が高い。
  
●三郷 0.87倍
 出願確定時の平均倍率は0.88倍。
 第2回から確定まで平均して0.21ポイント上昇。
 31年度に第2回0.88倍から確定時1.04倍というケースがあった。同校としてはそれ以来の高倍率からのスタートとなるが定員割れを回避できるかどうかは微妙なところだ。

●宮代 0.78倍
 出願確定時の平均倍率は1.08倍。
 第2回から確定まで平均して0.04ポイント上昇。
 4年度を除いて確定時には1倍を超えている。
 ただし低くても第2回0.9倍台からのスタートであり、0.78倍スタートの今年は定員割れを回避できるかどうか微妙なところだ。

●妻沼 0.56倍
 出願確定時の平均倍率は0.83倍。
 第2回から確定まで平均して0.30ポイント上昇。
 4年度に第2回0.69倍から確定時1.02倍と上がったことがあるが、それ以外は定員割れが続いている。0.56倍からの定員割れ回避はきわめて難しい。

◆大逆転の条件は
 昨年、第2回調査の段階で普通科34校(コース含む)が定員割れ状態だったが、そのうち12校が確定時において定員を上回った。

 昨年第2回の倍率が高かった順に次の12校である。 
 ●草加   0.99→1.03
 ●松伏(情報ビジネス)0.95→1.10
 ●三郷北  0.95→1.01
 ●鶴ヶ島清風0.94→1.09
 ●桶川   0.93→1.04
 ●大宮東  0.90→1.08
 ●春日部東 0.90→1.06
 ●大宮光陵(外国語)0.88→1.08
 ●飯能   0.88→1.01
 ●杉戸   0.87→1.02
 ●新座   0.86→1.09
 ●川越初雁 0.81→1.05
 
 以上の結果から、第2回で0.90倍を超えていれば確定時には1倍を超える可能性が高いことがわかる。
 昨年、第2回が0.9倍台で確定時1倍を超えなかったのは松山・普通(0.90→0.96)のみだった。
 (一昨年は4校が0.9倍台からの1倍超えが成らなかった)
 
 第2回0.8倍台からの1倍超えも可能性がありそうだ。
 昨年も5校が0.8倍台から確定時1倍超え果たしている。特に川越初雁は0.81倍からの1倍超えであり、驚異の大逆転と言えるだろう。

 ただ、0.8倍台からだと、確定時1倍に達しないケースもある。
 昨年は、大宮武蔵野(0.85→0.97)、小川(0.84→0.94)、白岡(0.84→0.92)、秩父(0.83→0.90)の4校が確定時1倍に達しなかった。
 つまり1倍を超えたのが5校、超えなかったのが4校であり、可能性は五分五分といったところだ。
 
 第2回0.8倍未満から確定時1倍に達した学校はなかった。

◆今年、逆転で1倍超えしそうな学校 
 こうしたデータを踏まえると、今年第2回で0.9倍台である次の学校は、確定時1倍超えの可能性がある。
 ●春日部東(0.99倍)
 ●越谷東 (0.98倍)
 ●松山女子(0.98倍)
 ●上尾鷹の台(0.97倍)
 ●白岡  (0.96倍)
 ●鴻巣女子(0.95倍)
 ●富士見 (0.95倍)
 ●川越西 (0.93倍)
 ●熊谷  (0.92倍)
 ●大宮東 (0.91倍)
 ●秩父  (0.91倍)

 一方、今年第2回で0.8倍台後半である学校にも可能性あるが、五分五分である。
 ●久喜  (0.88倍)
 ●松山  (0.88倍)
 ●草加西 (0.87倍)
 ●三郷  (0.87倍)
 ●熊谷女子(0.86倍)
 ●深谷  (0.86倍)
 ●飯能  (0.85倍)

 今回第2回で0.8倍台前半である学校にも可能性は残されている。
 ●桶川  (0.83倍)
 ●新座  (0.83倍)
 ●新座柳瀬(0.83倍)
 ●日高  (0.82倍)
 ●越生  (0.81倍)
 ●ふじみ野(0.81倍)

 以上、現状定員割れ状態にある学校の今後を過去データをもとに予想してみた。
 実際のところ、受験生がどう動くかはその年年で違うので、あくまでも過去データに基づく予想として参考にしてもらいたい。