少し前の情報になるが、埼玉県内私立中高の入試要項が発表された。

 高校
 令和7年度埼玉県私立高等学校入試要項

 中学校
 令和7年度埼玉県私立中学校入試要項

 ここでは高校募集に絞った話をする。

 上記の情報は埼玉県総務部学事課発である。
 時々、「埼玉県教育委員会のホームページに私立高校の情報が出ていないではないか」と文句を言う人がいるが、私立学校は埼玉県教育委員会の管轄外であるから仕方ないのだ。

 発表された入試要項には、学科・コース、募集人員、試験区分と日程、試験日と発表日といった最低限の基本情報しか載っていない。
 私立高校は学校ごと独自の入試を行っているから、詳細は各校ホームページ等で確認する必要がある。

 あまり意味がないと思いつつ、今日は募集人員に注目してみる。
 なお、ここから先、私立高校関係者の皆さんや塾の先生方には、「今さら」の話であって、特に目新しいことはない。
 公立高校関係者の皆さんを念頭に書く。

 公立の募集人員は伊奈学園と川口市立を別格とすると、最大規模は360人募集である。
 なお、公立募集人員は6月に発表済みである。
 では、募集人員の多い順位に見て行こう。

◆ビッグサイズ
01 浦和学院  800人
02 浦和実業  760人
03 埼玉栄   720人(内進120含む)
04 星野    650人(内進160含む)
05 開智    540人(内進300含む)
06 叡明    520人
06 花咲徳栄  520人
08 大宮開成  500人(内進150含む)
08 春日部共栄 500人(内進120含む)
08 西武台   500人(内進20含む)
11 昌平    490人(内進115含む)
12 武南    440人(内進33含む)
12 細田学園  440人(内進60含む)
12 山村学園  440人
15 本庄第一  430人
16 川越東   400人
16 栄東    400人(内進300含む)
16 秀明英光  400人
16 東京農大三 400人(内進70含む)
16 本庄東   400人(内進80含む)

 とりあえず公立の最大サイズを360人と考え、400人募集以上をビッグサイズとしてみた。
 浦和学院、浦和実業、埼玉栄あたりは大きめの公立高校2校分なので超ビッグサイズと言っていいかもしれない。

 栄東は内進(内部進学)の割合が高く、高入生の募集は少ない。
 開智は内進を除くと240人で、これが開智高等部の募集人数。
 埼玉栄、星野、大宮開成、春日部共栄、昌平は100人を超える内進生がいるが主力は高校入試。

 ここまで20校あるが、ほとんどの学校の実際の入学者は募集人員を超えている。
 募集人員だけを単純に足し算すると1万250人。360人規模の公立28.5校分、320人規模の公立32校分となる。

 各校これだけの人数がいれば、部活も活性化するだろうし、大学合格数も増えるだろう。

 なお、公立の先生の中には一部誤解されている方もいるようだが、私立とて際限なしに入れているわけではない。
 第一に箱の問題がある。教室数だ。第二に先生の数も急には増やせない。学校とは経費のほとんどが人件費なのだ。これは公立も同じこと。それに大幅な定員オーバーが続くと補助金を削られることもある。

◆ミドルサイズ
21 西武文理  380人(内進90含む)
21 武蔵越生  380人
23 埼玉平成  360人(内進7含む)
23 正智深谷  360人
25 東京成徳大深谷350人(内進16含む)
25 東野    350人
27 浦和麗明  320人
27 栄北    320人
27 淑徳与野  320人(内進120含む)
27 獨協埼玉  320人(内進160含む)
27 早大本庄  320人
32 狭山ヶ丘  300人(内進80含む)
32 聖望学園  300人(内進63含む)
34 山村国際  280人
34 立教新座  280人(内進200含む)

 どこで線引きするか迷うところだが、公立は360人、320人、280人という順に減って行くので、ここで区切ってみた。
 高校募集を行う全日制私立47校のうち35校(74.5%)がこの中に入る。

 内進の割合が高いのは立教新座で71.4%、次いで獨協埼玉50%、淑徳与野37.5%となっている。

 狭山ヶ丘はここ数年400人募集で入学者が300人以下という年が続いたこともあってか今年度募集人員を減らした。

◆スモールサイズ
36 秋草学園  260人
36 城西川越  260人(内進100含む)
38 慶応志木  250人(内進20含む)
39 国際学院  240人(内進19含む)
39 城北埼玉  240人(内進106含む)
41 開智未来  200人(内進84含む)
42 自由の森  210人(内進78含む)
43 大妻嵐山  180人(内進40含む)
44 秀明    120人(内進80含む)
45 浦和ルーテル75人(内進66含む)
46 東邦音大東邦第二40人
47 武蔵野音大附属36人

 公立の場合、定員割れの学校が順次募集人員を減らして行くのが普通だが、私立の場合、必ずしもそれは当てはまらないこともある。
 城西川越、城北埼玉は内進割合が高く、それがある程度下支えしているものの令和6年度入試では定員割れしている状態だ。
 秋草学園、大妻嵐山の両女子校も徐々に募集人数を減じ現在に至っている。
 公立も同じ状況だが、音大附属2校は苦戦が強いられているようだ。

 以上は全日制の話だが、最後に埼玉県私立中高協会加盟の通信制高校にも触れておこう。
 令和6年度入試では武蔵野星城が(152/140)と募集人員を超えた。
 わせがく夢育が(184/210)、志学会が(110/140)と募集人員には満たなかったものの80~90%前後の入学者を確保している。
 通信制希望者の増加はこれからも続きそうだ。