ゼロサムゲームという言葉、皆さんご存知だと思う。
 経済理論で、参加者の得点と失点の合計(sum)がゼロになるというもの。
 いかなる市場でも成立するわけではないが、誰かが得をした分、誰かが損をしている。

 生徒募集においても、総数が決まっている以上、どこかの学校が増えた分、どこかの学校が減っているはずだから、ある意味ゼロサムゲーム。
 すべての学校が増えることもないし、すべての学校が減ることもありえない。
 経済市場と異なるのは、プレーヤーとして参加しているもののファイティングポーズを取らない学校があることだ。
 定員を割っても仕方ない、それはそれで構わないと考える学校が少なからず存在する。
 経済市場においては誰もが勝者(得点者)の側に立ちたいと考えるが、必ずしもそうは考えないプレーヤーが存在するのが公立を含めた生徒募集市場なのである。
 
 ただ、一つ注意しておかなければならないのが、公立というものの性格だ。
 市場原理からすれば需要のないものは淘汰されていいし、採算の合わない市場から撤退するのは自由だ。
 しかし、たとえ需要が少なくても、または採算が取れなくても供給すべきサービスがある。
 その役割を担うのが公立であるから、戦わない公立があっても一概に否定できるものではない。

◆1万人に1人しか知られていない
 私は、皆さんに志願者を増やす方法をさまざま提案している。
 特定の学校だけに言う場合もあるが、多くはこのブログで公開している。
 そうやってみんなに発信してしまったら、みんなが得点を増やすことになる。
 しかし、それは理論上も実際上もあり得ないのではないか。
 そう思われる方がいるかもしれないが、大丈夫。

 第一に、私は無名である。
 私のことを知っている人は少ない。
 埼玉県民730万人として、そのうちの0.01%、1万人に1人がいいところだ。残りの9999人は知らない。

 第二に、アンチがいる。
 知ってはいるが、あいつは嫌いだ、信用ならないという人が少なからずいる。
 そういう人には何も伝わらない。
 また、アンチというほどではないが、批判的な立場の人もいる。
 そういう人にも伝わらない。

 というわけで、何を書いたって、「なるほど、そうか。ではやってみよう」と思う人は、ほんの一握り、いや一掴みなのである。
 市場への影響は肉眼では無理、顕微鏡を覗いてようやく見えるかどうかだ。
 だから安心して、アイディアを公開している。