昨日の続き。
 今回はまず制作スケジュールについて。

◆年明け1月にはキックオフ
 私が学校案内パンフレットを手がける場合、スタートは通常1月、遅くとも2月初めである。
 新年度4月から新しいパンフレットを使いたい。
 いや、使うべきだ。
 年度が改まったのに、賞味期限切れの古いパンフレットを配り続けるのはお客様に失礼である。
 古いパンフレットは廃棄物である。ゴミである。
 
 年度当初は高校側も中学生も多忙である。
 この時期に説明会等を設定するのは現実的に難しい。
 5月連休明けには、生徒対象説明会、塾説明会等がぼちぼち始まるから、そこでは新パンフレットを使いたい。

 制作には3か月から4か月を要するだろう。
 本来そこまでの時間は必要ないのだが、学校側も入試業務や学校行事(卒業式・入学式等)、あるいは年度末・年度初めの事務の合間を縫っての作業となるから、このくらいの時間をみておく必要がある。
 となれば、逆算して、1月のスタートということになる。
 1月 企画案・制作スケジュールの決定
 2月 デザイン案決定
 3月 データ作成及び修正、写真撮影
 4月 校正及び印刷
 ざっとこのような段取りで進めると、早ければ連休前の納品が可能である。

 来シーズンは5月、6月に学校説明会や塾説明会等を実施する学校がさらに増えるだろう。
 その際に去年の余り物を配らないためには、その3~4か月前、すなわち年度内にスタートを切る必要がある。

◆表紙とイントロがすべて
 学校案内パンフレットでもっとも重要なのは、表紙とイントロである。
 イントロというのは、表紙を1ページ目とカウントした場合、その次に来る2~3ページの見開きである。

 当たり前のことだが、パンフレットでもっとも目立つのが表紙である。
 学校のイメージを決定づけるものである。
 フェアなどの「自由にお取りくださいコーナー」で手に取ってもらえるかどうかは表紙次第と言っていい。
 圧倒的知名度のある学校であれば、探してでも取って行ってもらえるが、知名度がそれほどでもない学校の場合、表紙のインパクトがないとピックアップしてもらえない。
 それほど重要な表紙であるから、予算が少ない公立も、表紙と次のイントロくらいはプロのデザイナーに依頼したいところだ。

 イントロは、表紙のイメージをそのまま受ける形で学校の特色をアピールする。
 2ページ目、3ページ目と分けて考えるのではなく、見開きを1ページと考えてデザイン、レイアウトするべきだろう。
 表紙がパッとしないと手に取ったり、中身を読もうという気にならない。
 イントロがしょぼいとその先を見たいという気が起こらない。
 逆に、ここでしっかりハートをつかめば、それ以降の本編を見てもらえる。

 本編は、前半に教科活動、後半に教科外活動という順になるだろう。
 全体の色調
 写真とテキストのバランス
 使用する文字のフォントと級数
 などに注意する。

 前編で述べたように、学校案内パンフレットの役割が昔とは違ってきている。
 他のメディア(ホームページやSNSなど)があるのだから、パンフレットにすべてを盛り込む必要はない。
 あれもこれもと詰め込もうとせず、むしろ何を省くか(省けるか)という発想に立ったほうが、制作期間の短縮にもつながるだろう。