埼玉県内中学校では第2回進路希望状況調査(12月15日現在)に向けて希望校調査等が行われているだろう。
 第1回からどのくらい変化したのか。受験生はもちろん、高校側も気になるところであるが、結果公表は年明けである。
 これから学校説明会を予定している学校も多いと思うが、見えない数字との戦いとなる。

 さて本日は、個人的に今後の動向が気になる学校を5校取り上げる。
 
◆高倍率だが実は過去最低の川越南
 川越南の第1回調査倍率は1.95倍だった。
 全県普通科で8位の高倍率である。
 だが同校としてはここ10年(2016年度~今回、以下同じ)で最低であり、2倍を下回ったのも初めてである。

 2倍を下回ったのもそうだが、4年連続低下がもっとも気になるところだ。
 ここ3年間、最終倍率(志願先変更後)は1.4倍台に落ち着いているが、その水準を保てるのかどうかに注目したい。    

◆越ヶ谷も高倍率だが過去最低
 越ヶ谷の第1回調査倍率は1.74倍だった。
 全県普通科で14位の高倍率である。
 だが同校としてはここ10年で最低である。

 昨年までは2倍前後を維持してきており、今年も同水準かと思われたが、一気に1.7倍台まで下がってしまったのが気になる点だ。

◆和光国際の低下は一時的か
 和光国際の第1回調査倍率は1.40倍だった。
 同校としてはここ10年で最低である。

 グラフを見る限り長期的な低落傾向は確認できず一時的な下落と見られるが、これがもし統廃合計画の影響だとすれば、来年も再来年も続くことになる。しっかりとした広報戦略を打ち立てる必要がある。

◆初めて1.5倍を割った熊谷西
 熊谷西の第1回調査倍率は1.37倍だった。
 これまでの最低は2022年度の1.51倍だったが、1.4倍台を飛ばして一気に1.3倍台まで下がった。

 波はあるが長期落傾向というほどではない。ただ下がり幅が非常に大きいのが気になるところである。今回は理数科も定員割れ状態となっている。

◆典型的右肩下がりの川越女子
 川越女子の第1回調査倍率は1.19倍だった。
 1.1倍台は初めてで、もちろんここ10年で最低である。

 川越女子については別記事でも取り上げたが、非常に悲観的、と言うより危機的な下がり方である。
 ここ10年間で2回、前年同期を上回った年があったが、それ以外はすべて前年同期を下回っている。この下がり方は熊谷女子と同じで、このままだと「川越女子、お前もか」となりかねない。

 以上が、第1回調査でここ10年間での最低を記録した学校のうち、特に気になる5校である。

 なお、上記以外で今回過去最低を記録したのは次の学校である。
 上尾鷹の台、上尾橘、入間向陽、大宮武蔵野、桶川、春日部東、北本、越谷西、狭山清陵、草加東、所沢中央、羽生第一、日高(普通・情報コース)、深谷第一、ふじみ野、松山。
 このうち、入間向陽(1.30)、越谷西(1.25)、草加東(1.20)、深谷第一(1.30)の4校は手堅く倍率を出しているが、それ以外は1倍を割っており非常に厳しい戦いとなっている。

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