昨日記事では第1回希望調査で過去最低を記録した学校を取り上げた。
 となれば、その逆、過去最高倍率を記録した学校も見ておきたい。

 最低を記録した学校が22校であるのに対し、最高を記録した学校は8校と少ない。
 なお、ここで過去最高・最低と言っているのは2016年度入試から数えて、今回(2025年度入試)までの10年間の記録である。

 注目校の話の前に、今回過去最高倍率を記録した8校を先に紹介しておこう。
 朝霞  (1.46倍)
 川越初雁(0.63倍)
 越谷南 (2.33倍)
 志木  (1.58倍)
 杉戸  (1.71倍)
 蓮田松韻(0.53倍)
 浦和南 (2.27倍)
 川口市立・スポーツ科学
     (1.88倍)

◆杉戸、前年同期からの伸び率第2位
 今回1.71倍の杉戸は、前年同期1.17倍から0.54ポイント上昇している。公立普通科では川口市立が(2.48→3.21)と0.73ポイント上昇しているが、それに次ぐものである。
 川口市立は元々高倍率校で3倍台が普通に出る学校だが、たまたま前年が2倍台にとどまっため上昇幅が大きかった。
 杉戸は最終的に定員割れすることはないが、第1回調査では1倍に満たない低倍率が続いていた。それが前年同期1.17倍に急上昇、今年はその反動でやや下がるかと思われたが、さらに伸ばして周囲を驚かせた。

 2年連続上昇なので、この先定員すれすれに逆戻りすることは考えにくいが、東武沿線地域の人気校として定着するかどうかは来年を見てみないと分からない。
 年明け1月には早くも1・2年生向け説明会をスタートさせる。

◆越谷南、名門越ヶ谷に迫るか
 今回第1回は2.33倍(普通科)。
 全県普通科では第5位の高倍率。
 第1回調査に限ればこれで3年連続の2倍超え。

 2回ほど落ち込んだ年もあるが全体としては右肩上がりで、昨日取り上げた越ヶ谷とは対照的な動きを見せている。
 今年は外国語科の方も1.20倍とまずまずだ。
 越谷南の強みは何と言っても駅からの近さ。
 しかもその駅が成長著しい越谷レイクタウン。
 この立地の良さを武器としながらもう少し大学進学実績を伸ばして行くと、名門越ヶ谷に迫るのではないか。そんな期待を抱かせる学校だ。

◆浦和南、久しぶりの2倍超え
 今回第1回の2.27倍は2018年度以来7年ぶりの2倍超え。
 言わずと知れたサッカー名門校で、2018年度以降全国選手権出場はないが、この間2回、県予選決勝まで進出している。

 完全右肩上がりという形にはなっていないが、2倍超えの常連校になりそうな勢いだ。
 さいたま市立3校(市立浦和・浦和南・大宮北)の中では唯一、学力検査問題実施校。非学校選択校の中でトップランクというのも人気の秘密かもしれない。
 浦和南と言っても「南浦和駅」に近いわけではなく、むしろ埼京線の北戸田駅が近い。
 
 以上、体力的な問題からここまでとするが、初の1.4倍台を記録した朝霞、初の1.5倍台かつ右肩上がり傾向の志木、定員割れが常態化している中でも過去最高を記録した川越初雁、蓮田松韻にも注目している。