学校の先生方は年度末で忙しく、塾の先生方は春期講習で忙しい3月末、埼玉県教委から令和9年度公立入試で導入が決まっている面接についての資料が発表された。

 面接については、一般的な実施方法や、各高校の取り扱い(実施方法。評価方法)などがすでに発表されている。
 ただ、県教委としては、それでは情報不足と考えたようで、より詳しい説明、というか解説を発表した。

 あまり面接、面接と騒ぎすぎると、かえって受験生の不安を煽ることにならないかと心配になるが、全校実施は埼玉県ではほぼ初めてと言ってよく、ここで何も手を打たないと、「説明不足」とか「受験生の気持ちに寄り添っていない」とかの批判や不満が渦巻く可能性もある。なかなか難しいところだ。
 (なお、その昔、全校全員面接という時代もあるにはあったが、あまりに古すぎて誰も覚えておらず、事実上、「初の」と言って差し支えないだろう)

 まず、こちらのページをご覧いただこう。
 令和9年度埼玉県公立高等学校入学者選抜における面接について 

 次いで、上記ページから入れるのが次のページで、面接についてのより詳細な解説がある。

 令和9年度埼玉県公立高等学校入学者選抜における面接に係る資料

 さてと。
 この資料、一体誰に向けて書かれたものなのか。
 県教委ホームページに置かれているから誰でも閲覧できるが、おそらくこれは、高校教員、中学校教員など先生向けだろう。
 なぜ、そう判断したかというと、資料タイトルが「面接に係る資料」となっているからだ。「係る資料」。これ典型的な法律関係用語、お役所用語。想定する読者が中学生ならば、「面接について」だろうし、「中学生の皆さんへ」とか「受検生の皆さんへ」などと付け加える。文体も状態ではなく敬体を用いるだろう。
 そういうわけで大人向けらしいので、塾の先生方は、ひと通り目を通しておいた方がいいかもしれない。

 個人的な話をすれば、この先、中学生に向けて、面接について話したり書いたりする機会が何度もある。
 その際、まず中学生や保護者に伝えるのは、面接が合否に与える影響は、思ったほど高くないということだ。これは数字で説明できる。ただ、割合として高いか低いかは人それぞれの感覚の問題だから断定はできない。

 しかし、そうは言っても、得点化される以上、無視することはできない。入試1点を争う勝負である。面接が合否を分けることだって十分考えられる。その意味では軽くみるべきではない。しっかり準備しよう。

 そして最後にもう一つ。
 自己評価資料だの「My Voice」だのといちいち「めんどくせー」が、これ、長い人生の中で、結構使いみちがある。つまり役に立つ。やっておいて損はない。この制度を考案した県教委の先生たちもそこまで考えている可能性がある。いや、そうに違いない。
 全校面接に至ったのには「大人の事情」もあるだろうが、それを中学生に言っても始まらない。
 ちょうどいい機会だから、前向きにとらえ、この際、新しい力(能力)を身につけようじゃないか。
 と、このあたりが私の落としどころだ。