6月30日、埼玉県教育委員会は、令和3年度入試における学校選択問題採用校を発表した。
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「令和3年度埼玉県公立高等学校入学者選抜における学校選択問題実施校」
前年度との違いは、春日部女子がはずれ、川口市立が加わったことだ。他に変更はなく合計21校は前年度と変わらない。
◆元々、意図が分からなかった春日部女子の選択問題採用
学校選択問題は29年度入試から導入された。当初20校でスタートしたが31年度から春日部女子が加わり21校となった。
春日部女子の選択問題採用には元々疑問を持った方も多かったと思われる。
志願者が低迷する中、選択問題を採用すれば、志願者はさらに減少に向かうのは明らかで採用の狙いがよく分からなかった。
今回、選択問題から撤退したことで志願者が劇的に回復するかというと、おそらくそうはならない。
志願者低迷の原因が入試制度にあるのか、それ以外のところにあるのか。
私立高校も同様だが、ここは冷静に分析しなければならない。
◆川口市立は引き続き高倍率維持か
市立3校統合後、川口市立の人気が高騰している。あの校舎を見れば誰だって憧れる。
過去の県立高校の統合は募集に苦しんでいる学校同士で、かつ一方は事実上の廃校というパターンがほとんどだった。したがって、統合後も志願者数の増加はない。
それに対し、旧川口市立、川口総合、県陽の3校統合は、募集に苦しんでいる学校同士のものではない。むしろ地域では安定した人気を保っている学校同士のものだ。
よって、最初から人気沸騰は約束されていたと言っていい。
川口市立が目指すのは、市立浦和の方向だろう。来年4月には併設中学校が開校する。
大学進学実績が出るのはまだこれからで、市立浦和ははるか遠くにしか見えないが、狙うポジションはそこ。
川口市は、さいたま市に次ぐ県下第二の人口を擁する都市だが、名だたる進学校がない。いまだ私立高校もない。
近隣のライバルと言えるのは、県立の川口北、蕨、私立の武南(蕨市)ぐらいだから、そこは射程内としても、市立浦和までは遠いぞ。
でも、そこを目指すという宣言が、今回の選択問題採用なのだろう。
選択問題を採用しても、理数科や普通科上位レベルの受験生への影響は少ないだろう。あるとすれば「普通科文理スポーツコース」への影響だ。
が、進学校路線を志向する学校側としては将来的には廃止してもいいコースなので、ここで志願者数を減らしても構わないと考えているのだろう。
追記:一つ見落としていました。川口市立の「文理スポーツコース」は「スポーツ科学」と改称し、募集人員も40人減となっていました。普通科も40人減です。
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