埼玉県公立入試、志願先変更の際、参考になるかもしれないデータをお届けする。
志願先変更は、倍率の動向を見て行われる。
学校選びであるから、本来なら校風とか進学就職実績とか、部活とか、さまざまな視点から考えなければならないが、それは最初の出願まで。
この先は、とにもかくにも倍率だ。
公立に受かることを最優先とするなら、学力的にはワンランクないしツーランク低く、かつ倍率もそれほど高くない学校への変更が考えられる。
後述するが、現時点で定員割れ状態にある学校は、志願先変更後もそのまま定員割れである可能性が高い。
公立への合格を第一に考えるなら、定員割れ校を狙うのがもっとも確実な方法だ。
さて、ここでは前年(令和4年度)のデータをもとに、志願先変更でどのような動きがあったかを見てみよう。
普通科の場合である。
◆出願倍率が1.50倍以上
現在、1.5倍以上の倍率となっているのは次の学校だ。
市立浦和(2.29)
川口市立(1.94)
浦和(1.67)
川口市立・スポーツ科学(1.59)
越ヶ谷(1.51)
大宮(1.50)
1.5倍以上校は、前年(令和4年度)は8校、前前年(令和3年度)は5校あった。
両年とも志願先変更を経て、倍率が上昇したケースはなかった。
よって、今回も志願先変更により倍率は低下するだろう。
あとは、どの程度の低下になるかだ。
市立浦和は、3年度(1.99→1.90)、4年度(2.20→2.13)という動きだった。0.07~0.09ポイントの低下だ。したがって、2.20倍前後まで下がる程度で、2倍超えで本番を迎えるのは確実だ。
大宮は、3年度(1.57→1.51)、4年度(1.54→1.47)という動きだった。0.06~0.07ポイントの低下だ。下がっても1.4倍台の前半までと予想される。
川口市立は、3年度(1.81→1.73)、4年度(1.87→1.83)という動きだった。0.04~0.08ポイントの低下だ。下がっても1.8倍台の前半までと予想される。
川口市立・スポーツ科学は、3年度(1.48→1.50)、4年度(1.26→1.25)という動きだった。募集人員が80人と少ない割には倍率変動が少ない。1.5倍台のまま推移するだろう。
浦和は、3年度(1.43→1.34)、4年度(1.41→1.30)という動きだった。0.07~0.09ポイントの低下だ。今回は1.67倍と、例年にない高倍率からのスタートなので、過去2年のように1.3倍台まで下がることは考えにくく、1.5倍前後で収まるのではないかと予想される。
越ヶ谷は、3年度(1.38→1.36)、4年度(1.38→1.37)という動きだった。志願先変更による変動が少ない学校だが、今回は1.51倍と、この学校としては高めのスタートなので1.4倍台前半あたりまでの低下があるかもしれない。
◆出願倍率が1.40倍以上
現在、1.4倍以上の倍率となっているのは次の学校だ。
越谷南(1.48)
浦和西(1.47)
川越南(1.47)
和光国際(1.45)
浦和北(1.45)
市立川越(1.44)
浦和南(1.44)
川越(1.40)
1.4倍以上校は、4年度は7校あった。浦和が1.41→.1.30と大きく下がったのが例外で、他の6校は、ほぼ現状維持だった。基本的には今回も僅かな変動になると予想される。
地域2番手、3番手と目される学校の場合、高倍率が敬遠され流出の動きも出るが、上位校からの流入もあるため、結果として大きく変動しない。
越谷南は、3年度(1.28→1.27)、4年度(1.41→1.40)という動きだった。いずれも0.1ポイントの低下だ。今回はやや高めのスタートなのでやや大きな低下があるかもしれない。
浦和西は、3年度(1.40→1.38)、4年度(1.60→1.56)という動きだった。この学校としては低めなので、僅かな変動だと予想される。
川越南は、3年度(1.77→1.67)、4年度(1.42→1.41)という動きだった。特に高過ぎるとは言えないので、大きな変動はないと予想される。
和光国際は、3年度(1.13→1.14)、4年度(1.44→1.43)という動きだった。前年並みの変動と予想される。
浦和北は、3年度(1.03→1.05)、4年度(1.08→1.11)という動きだった。この学校としては例年にない高倍率なので、敬遠する動きがみられるかもしれない。
市立川越は、3年度(1.64→1.64)、4年度(1.56→1.48)という動きだった。スタートの倍率が徐々に低下している。
浦和南は、3年度(1.21→1.21)、4年度(1.49→1.47)という動きだった。
川越は、3年度(1.37→1.36)、4年度(1.50→1.45)という動きだった。今回の1.40倍は、この学校としては特に高過ぎるとは言えないので、大幅な低下はないと予想される。
◆出願倍率が1.30倍以上
現在、1.3倍以上の倍率となっているのは次の学校だ。
所沢(1.39)
川越女子(1.37)
浦和一女(1.36)
所沢北(1.34)
蕨(1.34)
不動岡(1.33)
春日部(1.32)
南稜(1.30)
1.30倍以上校は、4年度は4校あった。そのうち2校が変動なし。2校が0.01~0.02ポイント下がった。
学校の顔ぶれを見れば、この程度の倍率が出ても当然の学校が揃っている。大きな変動はないとみていいだろう。
所沢は、3年度(1.22→1.23)、4年度(1.37→1.32)という動きだった。
川越女子は、3年度(1.30→1.29)、4年度(1.35→1.35)という動きだった。
浦和一女は、3年度(1.46→1.38)、4年度(1.51→1.47)という動きだった。
所沢北は、3年度(1.43→1.43)、4年度(1.43→1.43)という動きだった。
蕨は、3年度(1.35→1.36)、4年度(1.47→1.48)という動きだった。
不動岡は、3年度(1.33→1.32)、4年度(1.22→1.23)という動きだった。
春日部は、3年度(1.28→1.28)、4年度(1.28→1.26)という動きだった。
南稜は、3年度(1.40→1.35)、4年度(1.35→1.31)という動きだった。
◆出願倍率が1.20倍以上
現在、1.2倍以上の倍率となっているのは次の学校だ。
川口北(1.29)
豊岡(1.29)
岩槻(1.28)
伊奈学園(1.25)
大宮光陵(1.23)
草加東(1.23)
上尾(1.22)
大宮南(1.22)
浦和東(1.21)
新座柳瀬(1.21)
川口(1.20)
1.20倍以上校は、3年度は15校、4年度は9校(コース含む)あった。4年度はそのうち8校がやや下がり、1校がやや上がった。
普通科の全体倍率が1.17倍程度とすると、1.20倍はそれよりやや高めといった程度なので、決して高倍率とは言えない。ただ、このあたりから、いわゆる中位校が増えてくることもあって、一定数の流出が見られる。
川口北は、3年度(1.00→1.05)、4年度(1.29→1.27)という動きだった。下がったとしても僅かだと予想される。
豊岡は、3年度(1.23→1.14)、4年度(1.25→1.21)という動きだった。やや高めなので1.20倍前後まで下がる可能性がある。
岩槻は、3年度(1.02→1.03)、4年度(0.89→0.96)という動きだった。この学校としては高倍率なので大きな低下があるかもしれない。
伊奈学園は、3年度(1.24→1.24)、4年度(1.19→1.19)という動きだった。ほぼ例年並みなので変動は僅かと予想される。
大宮光陵は、3年度(1.03→1.05)、4年度(1.17→1.16)という動きだった。この学校としてはやや高めではあるが、大幅な低下はないだろう。
草加東は、3年度(1.20→1.13)、4年度(1.09→1.08)という動きだった。この学校としてはやや高めなので1.15~1.20倍あたりまで下がる可能性がある。
上尾は、3年度(1.23→1.21)、4年度(1.04→1.06)という動きだった。3年度に近い動きになりそうだ。
大宮南は、3年度(0.97→0.98)、4年度(1.15→1.11)という動きだった。ここ2年間低かったが、それ以前はこの程度の倍率で推移していたので、極端な低下はないと予想される。
浦和東は、3年度(1.04→1.03)、4年度(1.29→1.27)という動きだった。大幅な低下はないと予想される。
新座柳瀬は、3年度(1.18→1.12)、4年度(1.14→1.14)という動きだった。この学校としてはやや高めなので、1.15倍前後まで下がると予想される。
川口は、3年度(1.14→1.14)、4年度(1.16→1.16)という動きだった。例年よりやや高いが、大幅な低下はないと予想される。
以上。出願1日目で普通科平均倍率を上回っている学校について述べた。
思いのほか時間がかかる作業なので、とりあえずここまでとし、できるだけ早い段階で後編を書く予定だ。
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