公立に行くということは浪人覚悟だぜ、という意見が聞かれるので、そのあたり数字で検証してみよう。
 データは埼玉新聞社が昨年5月、各学校にアンケート調査を行った結果を使う。
 調査では、卒業生数・大学進学者数・短大進学者数・専門学校進学者数・就職者数・進学準備者数・その他人数の7項目を聞いている。このうち、進学準備者数が、いわゆる浪人の数である。

◆進学準備(浪人)の割合が高い公立高校 1~10位
浦和   60.0%
春日部  47.3%
熊谷   47.1%
川越   45.1%
大宮   26.0%
浦和一女 25.1%
所沢   21.5%
豊岡   19.0%
松山   18.1%
不動岡  17.1%

 浦和の60.0%はたしかに高い。ただ、浪人含め東大41人、国公立266人という実績は考慮する必要がある。
 上位4校はすべて男子校である。私立でも男子校の川越東(33.9%)、城西川越(25.5%)であるから男子校に共通に見られる傾向と言えそうだ。
 女子校はおしなべて浪人比率は低いが、浦和一女のみ25.1%の高率だ。
 なお、私立では栄東が32.9%である。東大や医学部など難関志向が強まれば、ある程度浪人比率が高まるのは止むを得ないのかもしれない。
 ※開智のデータが得られなかったのが残念である。

◆進学準備(浪人)の割合が高い公立高校 11~20位
越谷北  16.7%
蕨    16.3%
川口北  15.7%
市立浦和 15.4%
朝霞西  15.2%
熊谷西  14.2%
川越女子 14.2%
坂戸   13.6%
大宮北  13.4%
浦和西  13.2%
所沢北  13.2%
 
 公立進学校と目される学校は、ほぼここまでに入っている。
 私立との比較のため、いくつかの学校のデータを挙げておこう。
 西武文理(24.4%)、本庄東(12.2%)、大宮開成(11.0%)、昌平(8.9%)などだが、私立でも難関大学志向の学校の場合、10%前後の浪人比率は避けられないようである。ただ、それでも公立進学校よりは低い。

 以上。浪人比率のみの単純比較では、「私立なら現役、公立なら浪人」というほどの極端な差は見られないが、現役進学では私立が優勢というのは確かなようだ。
 ここでは、受験している大学や合格している大学のレベルは考慮していないので、大学進学ではどちらが有利かを見るためには、そのあたりも見て行く必要があるのは言うまでもない。