今日取り上げてみたのは高校再編に関するニュースだが、特に大騒ぎするほどのことはない。
 全国各地で同じことがいくらでも起こっているし、これからも続く。
 「青森県立高校再編 青森市長とむつ市長が県教育長に要望」
 青森県立高校の再編について統合案が示されたが、青森市とむつ市の市長が、青森県教育長に対して、考え直すよう要望した。

 統合再編案が発表されると、必ずと言っていいほど反対運動が起きる。
 統合再編そのものではなく、個々の事案について、である。
 反対するのは、まず地元自治体。
 今回もそうだ。
 統合再編中の埼玉県でも同じ動きが見られた。

 在校生や卒業生などが反対するのは分かる。
 自分の在籍している学校や、自分が卒業した学校がなくなることに賛成する人はいない。
 「~を考える会」といった市民グループが立ち上がることもあるが、これもまあ仕方ない。
 そうした運動自体に喜びや生きがいを感じる人々もいるのだ。

 だが、自治体の長がこの期に及んで反対というのはどうなんだろう。
 これは政治的なパフォーマンスにしか見えない。
 一応反対はしましたというアリバイ作りでしかない。

 自身も行政に関わっているのだから、再編案が公表されるまでのプロセスはよく分かっているはずだ。
 一度公表された案がくつがえることは滅多にない。
 青森市長だって、むつ市長だって、自分たちが検討し作成し公表した案は、多少の反対があっても必ず通そうとするだろう。
 今さら反対しても無駄なのだ。
 だから、反対は市民に対するポーズである。
 報道の通りであるとすれば、「考え直すよう要望した」のである。
 考え直しても結果は同じだと分かった上での行動だ。

 統合再編により高校がなくなることが、市や市民にとってマイナスだと考えるなら、少なくとも(遅くとも)、検討段階でなければならない。
 いや、それでも難しいか。
 やはり、候補に名前が挙がらないようにするのがもっとも確実な方法だ。

 で、そういうことをやってきたのか。
 県立学校のことだから、市町村で出来ることには限界はあるが、そんな中でも何かしら手を打ってきたのか。
 問題はそこだ。

 今の時代、統合再編は避けられない
 もし、わが校、わが母校、わが町の学校の存続を願うなら、具体的再編案が公表されてからでは手遅れなので、その前に行動を起こそうということだ。