7月31日付記事「埼玉県3度目の緊急事態宣言、今度は「子供たちが感染防止リーダー」だと」に、コメント(ご質問)があったので、それに関連したことを書いておこう。

 ご質問
 「大学附属中学に通っています。働き方改革とやらで部活があまりできなくなったうえ、緊急事態宣言がでたら部活中止になりました。国立の附属だから上記の部活動の対応には当てはまらないのでしょうか。こうした意見はどちらに言うべきか教えてください」。
 まず端的にお答え。
 ご意見・ご要望は中学校に言ってください。

 この度の緊急事態宣言延長に伴い、文部科学省から、「新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣 言等を踏まえた小学校、中学校及び高等学校等における新型 コロナウイルス感染症への対応に関する留意事項について」という通知が出ている。

 通知の内容は後回しにして、この文書の宛先を見てみよう。
 コロナ関係の文書については、いつも同じである。

 各都道府県・指定都市教育委員会総務課・学校保健担当課 御中
 各都道府県教育委員会専修学校主管課 御中
 各都道府県私立学校主管部課 御中
 附属学校を置く各国公立大学法人附属学校事務主管課 御中
 以下省略。

 文部科学省からの文書が、各学校に伝えられるルート。
 ▼埼玉県立学校の場合(県立高校や伊奈学園中学校など)
 文部科学省 → 埼玉県教育委員会 → 県立学校
 ▼公立中学校などの場合
 文部科学省 → 埼玉県教育委員会 → 市町村教育委員会 → 市町村立学校
 ▼私立学校の場合
 文部科学省 → 埼玉県総務部学事課 → 各学校法人

 以上が主な3ルート。
 私立学校については埼玉県教育委員会の管轄ではないので、「各都道府県私立学校主管課」に該当する埼玉県総務部学事課から各学校法人へという流れになる。
 なお、「さいたま市」の場合は政令指定都市であり、ある意味県と同格になるので、次のような流れになる。
 ▼さいたま市立学校の場合(さいたま市は政令指定都市なので)
 文部科学省 → さいたま市教育委員会 → さいたま市立学校

 で、国立大学附属はどうなるかというと、前述の宛先に「各国立大学法人付属学校事務主管課」とあるので、文部科学省から大学の担当部署(部署名はよく分からない)へ、さらに附属小中学校や附属幼稚園、附属特別支援学校といった関連学校へ、という流れとなる。

 長々と書いたが、要は、県立学校や市町村立学校と同じ内容の文書が附属学校を擁する大学にも届いているということ。
 (だったら、最初からそう言えよ)
 ただし、文部科学省は命令しているわけではなく、「お願い」なので、それを受けてどのような方針をとるかは、都道府県や都道府県教育委員会さらには市町村教育委員会によって異なる。
 もっと言えば、各学校により異なる。
 (実際問題としては文部科学省からの内容とほぼ同じになるのが通例だが)

 さて、そこで。 
 文部科学省は部活動について、どのように言っているか。

 部活動における留意事項(文部科学省による)
 各学校においては、これまでも地域の感染状況に応じた対策を講じていただいているところだが、一部の部活動で、練習や試合に付随する飲食等の行動が原因と思われるクラスターが発生しているところ。こうした不十分な対策による感染拡大の事案が今後も発生すれば、他の地域や学校等の部活動や大会の実施にも影響を与えかねないこととなる。
 特に部活動の大会やコンクールは、生徒にとって日頃の活動の成果を発揮できる貴重な機会であり、これから大会やコンクールが多く開催されることや生徒の心情等を考慮していただき、緊急事態宣言の対象区域及び重点措置区域に属する地域における部活動の実施に当たっては、一律に中止とするのではなく、感染状況に応じて、別紙1に示す具体例をもとに、屋内外を問わず、これまで以上に感染症対策を徹底し、感染症対策と部活動の両立を図り、生徒が安心して練習や大会等へ参加する機会を確保していただきたいこと。

 私流に要約すると。
 部活動の大会等は生徒にとって貴重な機会だ。
 生徒の心情を考慮し、一律に中止するのはよくない。
 感染対策を徹底し、部活動への参加機会を確保してほしい。

 ということで、文部科学省は「部活動全面禁止」とは言っておらず、また、活動日数・活動時間についても具体的な数字はあげていない。
 「部活動週4日」といったガイドラインは、埼玉県及び埼玉県教育委員会が示したものだ。
 が、前述したように、実際には私立学校を含めすべての学校が同一歩調をとることになる(今までもとってきた)。

 以上から、もし部活全面中止の措置を取っているのだとしたら、それは学校としての方針ということになるので、冒頭述べたように中学校にご意見・ご要望を述べてもらうしかない。