東京五輪閉幕。ふだんはテレビ中継もなくオリンピックがほぼ唯一の機会であるマイナーな競技をたくさん見られたし、近頃はこんなスポーツもあるんかという目新しい競技も見られたし、十分楽しめた17日間だった。

 残念な結果に終わった選手も多数いるが、勝負事には運もある。出場者は現時点での日本トップクラスなのだから、浮ついた気持ちで臨んだ選手は一人もいないだろう。
 負けたその瞬間は、期待の裏返しで「なんだこの野郎」という気持ちにもなるが、いつまでも執拗に攻撃するのはやめよう。なに、3年後にはまたチャンスが訪れる。

 暫くの間、勝者はマスコミに引っ張りだことなるだろう。
 出来るだけ持ち上げておいて、何かあったら一気に引きずり降ろそうと企んでいるのがマスコミであり、それを秘かに期待しているのがわれわれ一般大衆であるから、調子に乗らないように。
 若い選手は特に注意が必要だ。

 大会後は、「〇〇はなぜ勝てたか」「〇〇はなぜ負けたか」の議論が盛り上がるだろう。
 検証は必要なことだ。
 しかし、それが出来るのは選手本人や専門家であって、素人のコメンテーターには無理。
 勝ち方が分かるんだったら先に言えよ。結果を見てからなら何だって言える。
 なんだが、彼らは言いたい放題がお仕事なので仕方ない。

◆個人的な最高評価メダルは女バスの銀
 たくさんの選手やチームがメダルを獲得したが、個人的高評価メダルは何かと考えてみた。

 柔道・レスリング・体操は、過去のオリンピックでも多くのメダルを獲得してきた。
 野球・ソフトボールは開催国の特権で今回限り実施された競技。
 いくつかの新競技が実施されたが今後定着するかどうか分からない。

 等々を考慮した結果、個人的最高評価メダルは、女子バスケットの銀メダルに決定。
 バスケは中学でも高校でも人気部活だ。
 が、そんな人気競技も世界では通用しない。

 部活人気と世界での実力は必ずしも一致しない。
 レスリング部や体操部がある学校は限られているし、柔道部も部員難である学校が多い。
 その点、バスケ部のない学校は聞いたことがなく、部員だって余るほどいる。
 でも弱い。

 が、これからは世界で通用しないとは言わせない。
 人気と実力を兼ね備えた競技と胸を張れる。

 ちなみに日本バスケットボール協会の会長は、バレーボールのメダリスト三屋裕子さん。その前の会長はサッカーの川淵三郎さん。
 別の競技の出身者がトップって、何か変だが、バスケ界はいろいろゴタゴタが続いて一時は国際大会に出場できないんじゃないかという危機に陥った。それで、しがらみのない別競技出身者をトップに据えて改革を進めた。
 そういう意味でも、今回の銀メダルはめでたい。
 
 プロリーグ(Bリーグ)も人気を博しているし、男子の八村塁選手のようなスターも誕生した。
 これからはバスケの時代か。
 それにつけてもバレーはどうした。はるか昔とは言え男女とも金メダルとっているんだぞ。
 (私、高校時代バレー部、先生時代バレー部顧問)