本題に入る前にご報告。お問い合わせフォーム(上段メニューの右端)を通じて、読者の方からご意見を頂戴した。
 大宮開成高校の早慶上智合格者に関するもので、同校ホームページのデジタルパンフレットに、現浪合わせた人数が掲載されているので、「せっかくなので訂正されたらどうか」という内容だった。
 で、結論を先に言うと、9月18日の記事中にある4つの表を訂正し、さらに最終更新日時を記載する欄を設けた。
 
 今回、国公立、早慶上智、MARCHの合格者に関するデータをもとに記事掲載したが、合格者数データは原則としてアンケート調査に基づいている。
 回答時期は概ね5月下旬から6月上旬である。
 ということで、各校がホームページで発表している数や、パンフレット等に掲載している数とは若干の違いがあるものと思われる。

 大宮開成については、読者の方が大宮開成デジタルパンフレットの在りかを見つけ、教えてくれたので、おっしゃる通り「せっかくなので」修正を加えることにした。
 修正作業を通じて、改めて大宮開成の現役合格率の高さに驚かされた。浪人を加えた結果、早稲田は52→56、慶応は30→31、上智はそのまま。これだけの違いしかない。

 以上、やや長めだが本題に入る前のご報告である。

◆敬老の日特集、第2弾
 昨日、ご本人たちにその自覚はないが、実は老人クラブ的活動をされている方たちのことを書いた。
 繰り返し言うが、別に社会に迷惑をかけているわけではないので、ご本人たちが満足されているのであれば、他人がとやかく言う必要はない。
 それに、あちらの方が先輩だし、世の中への貢献度は私とは比べ物にならない。

 ただ、教育ということになると、私の方がちょっとは知識や経験が上なので、若者と接する場合の注意事項をお伝えしておこう。
 細かい話をすれば、いろいろだが、今日は一つだけ。

 今の感謝を求めるな
 有難うは墓場で聞け

 講演会やセミナーで若い人に話をする。
 当然、いい話をしようと思う。
 うまく嵌れば「役に立った」「いい話だった」「やる気になった」と感謝される。
 一部社交辞令もあるが、本気でそう思ってくれる若者もいる。

 だが、その感謝を求めてはいけないし、その感謝で満足してはいけない。
 
 話を聞き、刺激を受けた若者は学問に目覚めるかもしれない。
 「そういう分野もあるのか」
 「面白そうだ」
 「ぜひ何々大学(何々学部)を目指そう」
 そう思い、行動を始めるかもしれない。
 
 また、職業や仕事に目覚めるかもしれない。
 「そんな職業もあるのか」
 「やりがいありそうだ」
 「よし、自分は何々になろう」
 そう思い、行動を始めるかもしれない。

 そして彼らは実際に行動を始め、学問を修め、仕事に就く。
 ざっと5年、10年先のことだ。
 もしかしたら、彼らは、今の自分があるのは、あの時のあの話がキッカケだったと振り返ってくれるかもしれない。
 誰だったか忘れたが、有難い話だ。そう思って、心の中で感謝してくれるかもしれない。
 できれば、あの時のあの人に直接会ってお礼を言いたいとさえ思ってくれるかもしれない。
 
 だが残念なことに私たちは、その時、すでにこの世にいない。
 感謝の言葉は草葉の陰で聞くしかない。

 ジジババ諸君。
 教育の場で、若者相手に何かを伝えようとするなら、そういう覚悟が必要なのだ。
 
 先生やってて何が嬉しいかって、10年後、20年後に感謝されることなんだ。
 今は嫌われたっていい、後で分かってくれればいい。
 そう思いながら、日々子供たちと接しているんだ。

 まあ我々は先生ではないから、まったく同じである必要はないが、今の感謝を求めてはいけない。
 それはたぶん、自己満足だ。
 本当の感謝は10年、20年遅れてやって来る。
 運が良ければ、墓参りの一つぐらいしてもらえるかもしれない。

 今日は彼岸の入り。
 父母の墓参に行って来た。