本日は雨の中、そして10月中旬とは思えない寒さの中、県立浦和高校の小学生保護者対象講演会に行ってきた。
場所は同校体育館。
講演は「世界のどこかを支える人材を育てる教育は」と題して、二人の先生の対談という形で行われた。
一人は、元浦和高校の校長で、現武蔵中学高校校長の杉山剛士先生。
もう一人は、現浦和高校校長の水石明彦先生。
杉山先生は、平成25年から5年間、浦高の校長を務め、定年退職後は母校である武蔵高校に戻られた。
水石先生は、浦高OBでもあり、杉山校長時代に浦高教頭を務めたこともある。
まあ浦高を知り尽くした二人である。
以前は、この時期、小学生対象のスポーツ教室などをやっていたが、4年前から講演会形式に切り替えた。
この2年間はコロナの影響で滞っているが、保護者対象説明会やら冬休み教室やらスポーツ教室やら、小学生ターゲットのイベントを結構やっているわけである。
埼玉県内には私立中高一貫校が増え続けているし、公立の一貫校や中等教育学校も出来ているところであるから、「公立中学校→公立高校」の良さを知ってもらおうというのは当然のことだ。
本当なら公立小中学校と連携して、また、他の高校とも連携してやれればいいんだろうが、公立小中の先生方は過労死寸前だと言うし、他の高校も目の前の募集に四苦八苦している状況なので、とても3年先、5年先を考えたアクションなど出来そうもない。
講演の中で、「中高一貫か、公立中から公立高校か」という話題も出たが、いま現在、杉山先生が一貫校校長ということもあってか、中高一貫が否定的に語られることはなかった。
多様性が求められている世の中ということもあるし、私も優劣を論じることにそれほど意味があるとは思わない。
ただ、問題なのは、大学受験というところだけを捉えて議論される場合が多いことだ。
学校選びは予備校選びや塾選びとは違う。
学校は人間形成の場であるから、わが子に適した教育方法は何なのかという視点を持たなければならない。
小学生のうちにやっておくべきことという話題もあった。
どういう力をつけておけばいいかという話だ。
これに対し杉山先生は、唯一の正解は無いと断りつつ、「好奇心」「向上心」「公共心」の3つを挙げられた。
コウ(好・向・公)でくくったわけだ。
学校の先生はこういうの上手いね。
たしかに、好奇心や向上心や公共心は、大人になってから身に付けるのは難しい。
さらに厄介なことに、歳をとると見事に失われて行く。
身に付けるなら小さいうちだ。
特に「好奇心」。
これは教室で教科書を使って教えるものではない。
「向上心」や「公共心」はまだ何とかなりそうだが、「好奇心」は無理。
さて、若いお父さんやお母さん方に、この言葉どこまで響いたか。
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