私がいつも原稿を書かせてもらっている「よみうり進学メディア」12月号。
 その埼玉版に高校の先生からのアドバイスが載っている。

 まず、狭山ヶ丘高校の募集部長・何本知隆先生。
 「苦手だからやらない」のではなく「苦手だから時間をかけて取り組む」
 その中に、こんな言葉がある。
 「常に本番を意識するよう、問題を解くときに制限時間をつけて取り組みましょう」
 この時期ならではのアドバイスだ。
 よく試験後に時間が足りなかったとか、時間配分を間違ったと言い訳する受験生がいる。
 問題数も配点もあらかじめ分かっている試験なのに、なんで事前に準備しておかないんだ。
 準備不足でしたと言っているのと同じだろう。
 受験勉強の初期の段階なら別だが、ここからは常に時間を意識した勉強をしないとね。

 次に、浦和学院高校の募集広報室長・増田浩之先生。
 「積み上げた学びはどこかでつながってくる」
 この中に、面接についてのアドバイスがある。
 「皆さんに注目しているのは試験や面接の時間だけではありませんよ。登下校や、休憩時間にも気を配り、全ての過程を入試だと意識し緊張感をもって臨んでください」
 そこまで言っちゃいます?
 でも、実はそうなんだよ。
 頭髪や服装は間違いなく観察されてる。
 企業の採用面接なんかも同じなんだが、控室での様子なども案外見られている。
 では、面接時以外の態度が理由で落とされるかというと、そこまではないのだが、観察され記録されていると思ったほうがいい。

 最後に、昌平高校の広報室長・名雲浩先生。
 「今の努力は将来必ず生きてきます」
 その中に、先ほど私が言ったのの同じことが書かれている。
 「(過去問は)時間を測って、試験時間と同じ時間で、どの程度解けるのかを掴んでおきましょう。そうすれば時間配分など自分なりの作戦を立てて試験に臨むことができます」
 ね。だから、時間配分は作戦の一つなんだよ。

 それと、もう一つ。
 「入試は定期テストではありませんので、100点を取る必要はありません。時間を、目一杯使って、順番にこだわらず、得点できるところでしっかり点を取ってください」
 そう。入試というのは満点を競うゲームじゃない。
 なんだが、そこのところ、意外と忘れがち。
 たまたま一個だけ難問にぶち当たると、それで頭に血が上っちゃう。

 いや、それ出来なくても大丈夫だからっていう問題が一つや二つ必ずある。
 県内で一番難しいと言われている学校だって、各科90点取れば余裕で合格だ。
 100点からの引き算で考えるんじゃなく、平均点である50~60点からの足し算で70点、80点と加算して行く。
 ただ、そのためには「得点できる」ところか、そうでないかを瞬時に判別する力が必要になってくる。
 この直感が働かないと、無駄な時間を費やしてしまうことになる。
 では、どうしたらその直感が働くようになるか。
 それは名雲先生の話にもあるように「過去問をやりこんでください」というしかないのだ。
 「過去問をやる」といった生易しいもんじゃなく「過去問をやりこむ」だからね。

 以上。忙しい中、寄稿してくれた先生方に敬意を表し、フォローしたつもり。