こいつは何かのジョークではあるまいか。
 国立大学協会が、2025年からの国立大入試に関して、大学入学共通テストに「情報」を加える方針を固めたという。
 これまでは、国語、地理歴史・公民、数学、理科、外国語の5教科から7科目を課すことを原則としてきたが、「情報」を加え、6教科8科目が原則となる。
 
 「情報」については高校の新学習指導要領で「情報Ⅰ」が必修となる。
 それに伴い、来年の高校1年生が大学入試を受ける2025年から「情報」が共通テストに加わる。

 この決定がとってもシュールなのは、試験を従来型ペーパー試験でやりそうだからだ。
 それとも、「情報」だけは、PCやタブレットを使ってやるのか。
 だったら、まだ分かる。

 「情報」をペーパー試験でやるなら、体育も音楽も美術も全部マークシートでやればいいじゃないか。
 私の中では、「情報」というのは実技系なのだが、そうじゃないのか。
 プログラム組めるようにするのは技術だと思うんだがな。

 要するに「情報」という教科を定着させたいわけだ。
 現在でも高校の教科に「情報」はあるわけだが、各校それほど熱心にやっているようには見えない。
 そこで、大学入試の必須教科にすれば、みんな気合入れてやるようになるだろう。
 大方、その程度のことなんだろう。
 馬鹿げた決定だ。

 それより、高校生にPCやタブレットを全員配布するのが先だろう。
 あと、指導者の増強な。
 GIGAスクール構想で公立小中学生に端末はとりあえず行きわたったが、高校生は今のところ置いてけぼりだ。
 BYODとかもっともらしい横文字使ってるが、多くの生徒がスマホで代替しているのが現状だ。
 いつでも自由に使えるデバイスを持たない状態で、どうやってプログラム組めというのだ。

 高校の先生方は、なんだかんだ言ってもその道(大学受験指導)のプロだから、いろいろ研究して対策は立てるだろうが、そういうことでいいのか。
 プログラムのプの字も知らない連中に任せると、こんな滑稽な結論しか導けないということだ。

 まあ決まったことだから仕方ない。
 とは言いながら、これまでも一度決まったことが二転三転した例もあることだし、現場から反対の声をあげてくれないかなと思う。