12月24日、スポーツ庁が令和3年度の全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果を発表した。
 令和3年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果

 調査は2年ぶり(昨年度はコロナ禍により中止)。
 調査対象は小学5年生と中学2年生の各男女。
 全国約201万人が対象となった。

 実技テストは以下のとおり。
 1 握力
 2 上体起こし
 3 長座体前屈
 4 反復横とび
 5 20mシャトルラン
 6 50m走
 7 立ち幅とび
 8 ソフトボール投げ
 ※持久走
  中学生のみ
  男子1500m、女子1000m

 8種目で算出する体力合計点の全国平均はいずれも前回調査(令和元年度)を下回った。
 男子の合計点は小中とも現行の調査方式が始まった2008年以降最も低かった。
 20mシャトルランと、中学生のみの持久走(男子1500m、女子1000m)は男女共に過去最低だった。上体起こしや反復横跳びも、落ち込みが目立った。

 同庁は、低下の主な要因として次の3点をあげている。
 1 運動時間の減少
 2 学習以外のスクリーンタイムの増加
 3 肥満である児童生徒の増加
 (スクリーンタイムとは、テレビ、スマートフォン、ゲーム機等による映像の視聴時間である)
 これらは前回調査から指摘されているが、「新型コロナ感染の影響を受け、さらに拍車がかかったと考えられる」、としている。
 また、「感染拡大防止に伴い、学校の活動が制限されたことで、体育の授業以外での体力向上の取組が減少したことも考えられる」、としている。

 そうさせたのは文部科学省なんだけどね。

 まあ、コロナの影響は確実にあるだろうが、それ以前からの傾向であるので、コロナが終息したからといって、改善されるかどうか分からない。
 スクリーンタイムについては、平日1日当たり2時間以上と回答した割合が小5男子では6割を超え、うち5時間以上は15.9%に上っている。中2男子は2時間以上が7割で5時間以上が14.6%であり、特に男子にスクリーンタイムの増加が顕著だ。
 このように室内での活動が多いせいか肥満も増加している。
 肥満の割合は、小中男子と小5女子で過去最大となっている。
 一人一台端末は結構なことだが、一方では体力低下の要因にもなり得る。

 体力低下については、学校も大きな課題であると認識し、さまざま工夫をしているところだと思う。
 しかし、週に数回の体育の授業や、運動会・体育祭などの学校行事だけでは限界がある。
 運動部活をやっている生徒はいいが、これも最近は何かと風当たりが強いのが現状だ。

 生活習慣が大きく影響していそうだから、ここはやはり家庭の理解と協力も必要だ。
 親自身が、スポーツや野外活動の面白さを伝えられれば、子供の活動量もそれに比例し増えるだろう。
 家庭事情がそれを許さない場合もあると思われるので、地域にそれを支える機能があることが望ましい。

 塾の先生方にとって、こうした問題は業務外だと思うが、啓発活動などしてもらえるといい。
 ただ、ご自身の運動不足解消が先決という話もある。