コロナ陽性者が予想通り、いや予想を上回るペースで急増している。
 この分だと、以前のように分散登校やオンライン授業への切り替えになる可能性も大である。

 昨日も書いたように、1月から3月にかけて入学試験が実施できないという事態は避けられるだろう。
 その上で、受験生はどう対応すべきかを考えてみる。

 もし学校が臨時休校になったり、時差・分散登校になったり、オンライン授業に切り替わったらどうなるか。
 学校へ行く機会がへり、授業を受ける機会が減る。
 そうなると、その分、自宅での自主学習の機会や時間が増える。

 このような事態は、ある種の受験生にとっては、非常に有利な状況と言える。
 臨時休校にでもなれば、登下校のための時間が節約でき、その時間を勉強に充てられる。
 学校があれば、受験には直接関係しない授業も受けなければならないが、自宅学習であれば、受験に特化した勉強ができる。
 つまり、登校する機会が減ったり、授業時間が減ったりすることは、受験勉強という点だけに絞れば、プラスの方が多いのだ。

 まだ授業で習っていない範囲もあるかもしれないが、そこは学校側がプリントなりオンラインで補充してくれるだろう。
 とにかく、家にいる時間が増えるのは間違いないから、受験勉強の時間は確実に増えるのだ。
 ただしこれは、最初に書いたように、ある種の生徒にのみ言えることだ。
 ある種の受験生とは、自主自律型の生活や勉強ができる受験生である。

 それが出来ない受験生にとっては、単に暇な時間が増えるだけだ。

 今後もし、臨時休校などが行われた場合、自主的に出来る受験生と、それが出来ない受験生との間に、今まで以上に大きな差がつく入試になるだろう。

 社会生活や経済活動を停滞させるような事態を望んでいるわけではないが、いくら時間があっても足りないこの時期、新たな時間が生み出されると考えれば、臨時休校も恐くはない。むしろプラスでさえある。そういう考え方もできる。
 むろん、世の中は受験生だけで成り立っているわけでもなければ、受験生を中心に回っているわけでもない。
 要は、いかなる事態となろうとも、それをプラスに転じる逞しさや、賢さを持って欲しい。
 言いたいのは、そこのところだ。

 マスコミはニュース(情報)という商品を売る仕事なので、できる限りオーバーな表現をするだろう。
 なぜなら、経験上、不安や恐怖を煽る商品の方が売れるからである。
 世の中は需要と供給で成り立っている。
 不安や恐怖を供給するのは、その方が需要が見込まれることを知っているからだ。
 額面どおり受け取らず、少し割り引いて読んだり見たりするぐらいがちょうど良い。