ほう、そっちから弾が飛んできたか。
 一部国立大の共通テスト「情報」配点ゼロ予告に情報処理学会が反発 「不適切な入試を看過できず」(ITmedia news)

 新指導要領で「情報Ⅰ」が高校の必修科目となり、それに伴い大学入学共通テストの必修科目が6教科8科目となる。
 ここまではいい。

 ところが、北海道大学が「情報Ⅰ」には配点しないと発表した(9月16日)。
 令和7(2025)年度入学者選抜(一般選抜)における実施教科・科目の予告について
 内容を細かく読むと、「大学入学共通テストの成績、個別学力検査等の成績及び調査書等を総合して合格者を決定します。ただし、大学入学共通テストの情報Ⅰの成績は配点しません」とある。

 もう一つ、徳島大学
 「令和7年度入学者選抜(令和6年度実施)の予告【第1報】」を公表しました
 「徳島大学全学部の一般選抜、学校推薦型選抜Ⅱ、総合型選抜では、大学入学共通テストの指定科目として「情報Ⅰ」を課します。令和8年度入学者選抜(令和7年度実施)までは「総合判定の参考」とし点数化を行いませんが、令和9年度入学者選抜(令和8年度実施)より点数化を行う予定です」とある。

 これに対し、(社)情報処理学会が、反対声明を出した。
 大学入学共通テストで「情報」を必須としつつ配点しない入試に対する本会の見解
 
 「入試科目は点数化してその理解到達度を測定するために課すものであり、配点しない科目の受験を強いるのは、入試の実施根拠そのものを喪失することになります。加えて、高校教育の成果を測定することになる入試において配点しないというのは、高校教育におけるその科目の意義を否定することになります。また、大学入学共通テストにおいて原則として「情報」を課すとした国立大学協会の基本方針を形骸化するものです」というのが情報処理学会の言い分だ。

 そもそも「情報」を必修科目に入れるべきなのか。
 そこでは何をどう学ばせるべきなのか。
 入試科目に「情報」が必要なのか。
 入れるとしたらどんな能力を試すべきなのか。

 こういう議論は自由にやっていい。
 が、個々の大学の入試方式に対し、こうした組織が干渉してくるのはどうなのか。
 私のような個人がギャアギャア喚き散らすのは放っておけばいいことだが、民間と言えども日本の一流大学や一流企業の研究者による団体だからね。
 このような圧力のかけ方は感心しない。

 つい先ごろも都議会立憲民主党が都立高校入試から英語スピーキングをはずせと大騒ぎしたばかりだ。

 原理原則やルールを決める段階での議論は大いにありだ。
 が、その範囲内でどう運用するかは実施者側が判断すればいいことだ。
 たしかに試験はするが配点ゼロはどうかと思うが、それも含めて実施側の判断だ。
 日本には1200近い学会があるらしい(Wikipedia)。
 いちいち聞いていられんだろう。