昨夜は遅くまでかけて、志願先変更後の志願者数と倍率をまとめた。
 少し待てば県教委から確定データが出るのに、なぜこのような無駄をやっているのだ。
 馬鹿じゃねぇの。

 今日は午前中、加須市にある開智未来中学高校に出かけた。
 今や同校の名物行事ともなっている「未来TED」(プレゼンの大会)の動画撮影と配信のために、わが社の撮影スタッフを送り込んでいるからだ。
 私自身はこの業務に関しては戦力外なので、ただ見学しているだけ。
 少し前までは、大人の専門家たちが全てを取り仕切り、生徒は出演者(司会とプレゼンター)としてのみ参加していたが、今日行ってみたら、機械の操作はすべて生徒が行っていた。
 
 学校行事であるから生徒が関与する部分が多ければ多いほどいい。
 我々は、プロでなければできないところだけやってあげる。

 わが社のチーフ曰く「全部こっちでやった方が、断然早いし楽です」。
 そう。そこだよ。

 大人がやってあげれば簡単なことを、子供たちにやらせる。
 時間をかけて準備し、体験を通して教え、身につけさせ自信を持たせる。
 学校ってところはこれを毎日毎時間やっている。
 教育とは何かということが、ちょっとは分かったかな。

 さらにまた「先生方より覚えが早いです」。
 そう。それでいいんだ。
 教育というのは、生徒が先生を越えて初めて成功と言えるんだ。
 先生より意欲的で、研究熱心で、向上心が旺盛なら結構なことじゃないか。

 難しいのは、どこまでを生徒に任せ、どこからをプロがやるかだ。
 ただ丸投げすればいいってもんじゃない。
 取り返しがつかないような失敗をさせてはいけないし、危険も回避しなければならない。
 そうならないためには、我々スタッフは、すべてに精通した完璧なプロでなくてはならない。
 中途半端な知識や技術しか持たない人間が、教育に首を突っ込むことほど危ういことはない。
 我々も日々精進だ。

 準備はスタッフに任せ、私は授業を見て回った。
 若い先生が多い印象だ。
 もっとも私から見れば、ほとんどの先生が子か孫のようなものだ。

 ICT教育では先端を行く学校だけあって、生徒たちはタブレットを自由自在に使いこなしている。
 特別な道具という感じがしない。あえて言うなら「使ってます感」がない。
 むしろ、手書きの多さの方が驚き。

 「学び合い」「教え合い」はかなり重視しているようだ。
 生徒同士の意見交換や質問も活発だ。

 授業の進みはかなり早い。
 下の写真は数学の授業だ。
 黒板に「半角公式を使いこなす」と書いてある。
 実はこれ、中学3年生の授業。
 
 どう見ても、高校の内容だね。
 三平方の定理でもたついているようじゃ、到底三角関数には辿り着かない。
 このあたりが、私立中高一貫のすごいところ。

 高1の「公共」の授業では、外部不経済や市場の失敗について、かなり濃い内容の授業が行われていた。
 需要曲線と供給曲線が混乱しちゃうなんてレベルでは、とうてい理解不可能な授業だ。

 もっといろいろな授業を見たかったが、午後は別の予定が入っていたので、あとはスタッフに任せて帰って来た。
 タイトルでは「未来TED」を見たような書き方をしているが、実際に見たのはリハーサルで本番は見ていない。
 そのうちホームページで公開されるだろう。
 いつ公開になるかはわが社の編集作業次第だ。