昨日は一日中、入試問題とにらめっこしていた。
そのため今日は、体は疲れていないが、頭が疲れている。
現役の教員のころは、問題(私の場合は大学入試問題)を解いたり作ったりすることは日常業務の一部だった。
だがそれは、はるか昔のこと。
今の私にはなかなか骨の折れる作業だ。
さて。
明日24日は、埼玉県の一部の公立高校で実技や面接の試験が行われる。
そのあたりに軽く触れておこう。
◆実技重視の学校は
音楽科は実技を重視している。
大宮光陵・音楽科では、実技に対し第一次選抜では44.4%、第二次選抜では50%の得点を配分している。実技試験の内容は、ピアノ・声楽・打楽器などそれぞれについて事前に発表されている。
同科には今年度、40人の募集に対し42人の出願があったが、2人の事前取り消しがあったため実受検者は40人となった。したがって結果的には全員合格するだろう。
芸術総合と松伏にも音楽科があり、実技に相応の点数を配分しているが、いずれも定員の半分以下しか志願者がおらず、こちらも全員合格。
人気が全般的に低迷している音楽科に対し、美術科の2校はかなりの激戦だ。
●大宮光陵 1.78倍
●芸術総合 1.25倍
●越生 0.70倍
大宮光陵は第一次選抜で19%、第二次選抜で37%を実技に配分しているので、デッサンの力が合否を左右する可能性が高い。芸術総合も第一次選抜では10.6%、第二次では26.2%を実技に配分している。
体育科2校も実技試験を実施している。
大宮東・体育科は第一次選抜で23.1%、第二次選抜で42.9%を実技に配分している。
ふじみ野・スポーツサイエンス科は第一次選抜で32.4%、第二次選抜で41.2%を実技に配分している。
大宮東は80人募集に対し志願者は89人、倍率1.11倍なので実技試験の結果が合否を左右する可能性もあるが、ふじみ野は80人募集に対し志願者80人なので全員合格の見込み。
以上のほか、伊奈学園・普通科(スポーツ科学・芸術系)、大宮光陵・書道科、八潮・普通科(体育コース)、芸術総合・映像芸術科、同・舞台芸術科などでも実技試験が課せられる。
◆はたして面接をやる意味は・・・
面接を課す学校は徐々に減りつつある。
面接比率の高い学校を挙げてみる。
(いずれも第一次選抜における配点割合)
●鳩山 33.3%
●小川 16.7%
●栗橋北彩 16.3%
●狭山工業 16.0%
●妻沼 13.0%
●所沢商業 13.0%
●皆野 12.0%
●白岡 10.6%
●三郷 10.5%
●蓮田松韻 10.3%
●川口工業 10.3%
●北本 10.0%
●鴻巣女子・保育 10.0%
●日高 10.0%
●浦和工業 10.0%
●滑川総合 10.0%
以上が面接比率10%以上の学校だ。
10%というのは、大雑把に言えば、学力検査500点、調査書400点、面接100点といったイメージだ。それほど極端な面接重視だとは言えない。
しかも、上記の学校のうち、定員を超えているのは川口工業・情報通信科、所沢商業・情報処理、日高・普通科、浦和工業・情報技術科、滑川総合くらいで、あとは定員割れで全員合格。
面接比率10%未満となると45校程度が実施しているが、そのうち3分の2くらいは定員割れだ。
つまり、面接は、倍率の高い激戦の学校ではなく、倍率がきわめて低いか、または定員割れしている学校において主に実施されている。
面接は合否を決める材料として、ほとんど機能していない。
だったら止めてしまえばと思うが、入学前にどんな子かを確かめておきたいという理由もあるのだろう。
私立の場合だと、単願であれ併願であれ、ほとんどが個別相談を経ているが、公立は一部希望者にしか実施していない。
どんな子が入ってくるか蓋を開けてみるまで分からない。だから事前にちょっとでも見ておきたい。そういう意味はありそうだ。生徒指導・生活指導の予習編といったところだ。
ときどき「面接で落とされることはありますか」という質問を受ける。
私の回答は、「その質問をしてくるような人は心配ありません」というものだが、もう少し付け加えれば、「総合点(合計点)で合否を決めているので、面接の点数だけを特別に取り出して、それを理由に不合格になることはありません」となる。
かなり以前の話になるが、学力検査の点数が極端に低い上に(白紙同然で提出したため)、面接で志望動機を尋ねたところ「別に入りたくない」というような回答をしたため、たまりかねて定員内不合格を出した例があった。どうせ入ってもすぐにやめる子だから、これは仕方ないだろう。
入試はまだ終わっていない。
受験生、先生方には、あともう一日頑張ってもらおう。
コメントを残す